関西電力は25日、役員らによる金品受領問題の発覚後初めての定時株主総会を大阪市内で開いた。森本孝社長は冒頭「株主のみなさまに多大なご迷惑とご心配をおかけしたことを深くおわびします」と謝罪した。株主からは、東日本大震災後の料金値上げに際してカットした役員報酬を退任後に補填していた問題も含め「あきれた」などと批判が続出した。
関電は前経団連会長の榊原定征氏ら社外8人を含む取締役13人の選任や、社外取締役の権限を強化する指名委員会等設置会社への移行など3議案を提案。
一方、一部株主は脱原発や個別の役員報酬開示を求める定款変更など26議案を出しており、筆頭株主の大阪市は退任役員を嘱託契約した際の報酬開示を要求している。そのほか、森本社長の解任、相談役や顧問の廃止なども提案されている。
株主の一人は「関電は都合の悪いことは隠蔽しようとする。情報開示を経営の柱とすることなく、市民の信頼を得ることはできない」と訴えた。
総会は新型コロナウイルス感染防止を理由に、株主に来場自粛を要請。会場の座席は約3500席から約700席に8割削減し、初めてインターネット中継を行った。
関電では昨年9月、八木誠前会長や岩根茂樹前社長らが、福井県高浜町の元助役(故人)から多額の金品を受領していたことが発覚。東日本大震災後に減額した役員報酬のうち、18人に約2億6千万円が補(ほ)填(てん)されていたことも明らかになっている。