ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪市)の運営会社が、今夏に予定していた任天堂の人気キャラクター「マリオ」などが登場する新エリアの開業を延期することが27日、分かった。新型コロナウイルスの感染拡大を受けた施設内の対策を優先したためで、休業による準備の遅れも影響したとみられる。近く発表する見通し。
開業は秋以降になる見通しだが、今後の感染状況によっては来年にずれ込む可能性もある。関係者によると新エリア開業と感染対策の両立は困難だとの声が社内で上がっているという。
新エリアの「スーパー・ニンテンドー・ワールド」はゲームの世界を等身大で体験できるのが売りで、600億円超を投資。東京五輪・パラリンピックに合わせて開業し、日本を訪れる外国人をUSJに呼び込む起爆剤にするはずだった。
しかし新型コロナでUSJは2月末から約3カ月の臨時休業を強いられた。今月8日から営業を再開したが来場者を絞り、「3密」対策を徹底するなど、新たな営業スタイルを模索している。仮に全面再開や新エリアの開業ができたとしても、来場者がコロナ禍以前の水準に戻るかどうかは見通せず、当面は厳しい経営状況が続きそうだ。