【主張】拉致とトランプ氏 圧力路線への回帰必要だ

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 拉致被害者、横田めぐみさんの父で、先月、87歳で亡くなった滋さんの遺族に、トランプ米大統領からお悔やみの書簡が届いた。

 トランプ氏は弔意を表した上で「めぐみさんを必ずご自宅に連れて帰るという重要な任務を続ける」と誓った。

 これまでもトランプ氏は拉致被害者の救出に熱意をみせてきた。2017年には国連総会の一般討論演説で北朝鮮の人権侵害を非難し、「日本人の13歳の少女が拉致された」と述べた。めぐみさんのことである。

 米国の大統領が国連の場で拉致問題の非人道性を訴えたのは、これが初めてだった。

 ボルトン前米大統領補佐官がトランプ政権の内幕を描いた著書によれば、トランプ氏は安倍晋三首相の求めにより、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との全ての首脳会談で拉致問題を提起していたのだという。

 拉致問題の解決を政権の「最優先、最重要課題」に掲げる安倍首相との関係は良好だ。被害者全員の帰国に向けて、これほど頼りになる伴走者はいない。

 だからこそ注文がある。

 2度の米朝首脳会談を経て、米国は北朝鮮への圧力を弱めている。米韓合同軍事演習を延期し、北朝鮮の短距離弾道ミサイルの発射を黙認した。

 この間に北朝鮮は、大陸間弾道ミサイルのエンジン燃焼実験とみられる「重大実験」を繰り返すなど挑発行為を増大させている。

 思いださなくてはならない。

 北朝鮮が02年、拉致を初めて認めて謝罪し、5人の拉致被害者が帰国した。その背景には当時のブッシュ米大統領が北朝鮮を「テロ支援国家」に指定し、「悪の枢軸」と名指しした強力な圧力があった。トランプ、金正恩両氏の首脳会談を実現させたのは、米国が戦争も辞せずと軍事、経済両面からかけた強い圧力だった。

 北朝鮮が圧力を抜きに動くことはない。それは歴史が証明している。日本が軍事力を行使できない以上、同盟国米国にも頼らざるを得ない。安倍首相はトランプ氏に、最大限の圧力路線に立ち返るよう迫るべきである。

 独裁者が自らの政権存続に危機感を覚えて、初めて核・ミサイル問題の解決や拉致被害者の帰国に向けた道が開ける。日米両国でその認識を共有したい。

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