X(旧ツイッター)上で「NHK党が比例で1議席獲得すると社民党がゼロ議席になる」との投稿が拡散し、社民党の大椿裕子副党首が反論。「デマだ」としています。これは参院選の比例代表における議席配分に関する誤解に基づいています。
「NHK党が比例で1議席を獲得すると社民党がゼロ議席になる」という内容のX(旧ツイッター)投稿画面
「ドント式」による議席配分メカニズム
参院選比例代表の50議席は、各党の総得票数に基づき「ドント式」で配分されます。得票数が多いほど議席は増えますが、特定の2党間で直接1議席を取り合う仕組みではありません。各党の得票数を順次、1、2、3…で割っていき、その商が大きい順に議席が与えられます。したがって、ある政党が議席を獲得しても、それが直接的に別の特定の政党の議席をゼロにするわけではありません。
過去の事例:2022年参院選
2022年の参院選では、自民党が18議席、日本維新の会が8、立憲民主党が7でした。社民党と当時のNHK党は、共に約125万票を獲得し、それぞれ1議席ずつを得ました。社民党からは福島瑞穂氏、NHK党からはガーシー氏が、党内の候補者個人得票に基づいて当選しています。この事例は、両党が同程度の得票レベルで並び、比例代表で共に議席を得られる可能性があることを示しています。
参院選公示日、ポーズをとる社民党の福島瑞穂党首と関係者
選挙専門家の見解は?
選挙情報の分析・調査を行うウェブサイト「選挙ドットコム」の担当者は、参院選比例代表制について「ある程度の得票があれば議席を得られる仕組み」であると説明。そして、「ある政党の議席獲得が、別の党の議席を狙い撃ちのような形で削る状況は起こり得ない」と明確に述べています。これは、「NHK党が議席を取れば社民党がゼロになる」といった特定の2党間のゼロサム論が、制度的に成り立たないことを示唆しています。
したがって、「NHK党の議席獲得が社民党の議席をゼロにする」という情報は、日本の参議院比例代表選挙の制度に基づけば事実無根のデマです。比例代表制では、各党の全体的な得票数が議席数を決定する仕組みであり、特定の政党同士が直接的に議席を取り合うものではないのです。
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