【ニューデリー時事】インド西部アーメダバードで旅客機が市街地に墜落した事故から12日で1カ月。
航空専門の米ニュースサイト「エア・カレント」は複数の関係筋の話として、調査当局がエンジン燃料を制御するスイッチに焦点を当てていると伝えた。操縦士による「不注意や意図的な操作があった可能性は否定できない」としている。
インド航空機事故調査局(AAIB)は、操縦室内の音声を録音したボイスレコーダーや飛行記録を収めたフライトレコーダーの解析を進めている。米運輸安全委員会(NTSB)や英国の航空事故調査局も側面支援している。
同サイトによれば、予備的な調査では機体やエンジン2基の不具合を確認できず、燃料への異物混入もなかった。操縦席の燃料制御スイッチが離陸後操作されたかは分かっていないが、飛行中に「オフ」にされるとエンジンへの燃料供給が即座に断たれ、推力を失うという。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)も10日、関係者の話を基に、同スイッチが切られたため離陸直後に推力を失ったとみられると伝えた。
事故は6月12日に発生。地元航空大手エア・インディアが運航する米ボーイング787型機が離陸から約30秒後に地上に激突、炎上した。同機は英ロンドンに向かう便だった。
乗客乗員のうち1人を除く241人が死亡。当初、地上の医科大敷地内にいた人も含め計270人以上が亡くなったと報じられたが、DNA型鑑定の結果、地上で巻き添えとなったのは19人と判明。犠牲者は計260人だった。
エア・インディアや同社を保有する大手財閥タタ・グループは遺族への補償手続きを進めている。