【ソウル=名村隆寛】朝鮮戦争(1950~53年)の際、第一線で戦ったことで知られ、韓国で陸軍初の大将となった白善●(=火へんに華)(ペク・ソニョプ)氏が10日深夜、死去した。99歳だった。
白氏は日本統治下の平安南道江西郡(現・北朝鮮)出身。朝鮮半島の日本統治からの解放後、韓国陸軍の創設に参加。陸軍第1師団長だった朝鮮戦争の勃発当初、南侵を続ける北朝鮮を釜山橋頭堡の守備で阻止した。50年9月の仁川上陸作戦による国連軍の反攻開始とともに、北進し、平壌への一番乗りを果たした。
陸軍参謀総長を務め、朝鮮戦争の休戦後は、合同参謀会議議長などを歴任した。軍退役後は、外交官としてフランス、カナダ大使などを歴任。交通相も務めたほか、1970年のよど号ハイジャック事件の解決にも関与した。
韓国では長く「朝鮮戦争の英雄」として称賛された。朝鮮戦争当時の体験を記した著書は日本でも出版されており、「白将軍」の名で知られた。