【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米大統領は29日、FOXニュースの番組に電話出演し、民主党のバイデン前副大統領が勝利を確実にした大統領選で「大規模な不正があった」と改めて主張し、徹底抗戦の構えを打ち出した。
【写真】ホワイトハウスの敷地を孫たちと歩くトランプ大統領
トランプ氏は一方で、選挙結果の逆転を目指す一連の法廷闘争が相次いで棄却されていることに関し「弁護団は最高裁判所での審理を望んでいるが、たどり着くのは難しそうだ」と悲観的な見通しも示した。
最高裁は、必ずしも上告を受理する必要はない。
トランプ氏が選挙後、テレビ番組に出演するのは初めて。トランプ氏は「私の決意は今後6カ月間は変わることはない」と述べ、選挙に「大がかりな不正」があったとする自説は曲げない立場を強調した。
トランプ氏の弁護団は中西部ミシガンとウィスコンシン、東部ペンシルベニアと南部ジョージア、西部アリゾナの各州で訴訟を提起したが、ほとんどが「証拠がない」などとして棄却されている。
トランプ氏はまた、司法省や連邦捜査局(FBI)による一連の「不正」疑惑への対応に関し「(連中は)行方不明だ。何をしているのか分からない」と語り、捜査に動こうとしないとして不満を訴えた。
一方、米メディアによると、トランプ陣営の要請で中西部ウィスコンシン州の2つの郡で行われた再集計が29日終了し、バイデン氏がトランプ氏に約2万票差をつけて勝利した集計結果が確定した。再集計の際に判明した一部の票の集計ミスを修正したところ、バイデン氏の票が87票上積みされたとしている。