「酒のツマミ」緊急放送変更の波紋:大悟の松本人志コスプレがコンプライアンスに抵触か

フジテレビ系列の人気番組『酒のツマミになる話』が、本日10月24日の放送直前に内容の変更を発表し、大きな波紋を呼んでいます。急遽、過去の放送回に差し替えられた理由について、出演者のコスプレがフジテレビの定めるコンプライアンスに抵触したためと報じられ、業界内外から疑問の声が上がっています。

放送直前の緊急事態:番組内容差し替えの背景

当初、『ハロウィンスペシャル』として企画されていた今回の放送では、出演者たちがそれぞれ趣向を凝らしたコスプレを披露する予定でした。しかし、番組公式ホームページで「※放送内容を変更してお送りします」との緊急のお知らせが掲載され、視聴者を困惑させました。関係者によると、番組スタッフに差し替えの連絡が入ったのは、放送日である24日のまさに直前だったといいます。この異例の事態を引き起こしたとされるのは、MCを務めるお笑いコンビ・千鳥の大悟さんが披露した、ダウンタウン松本人志さんのコスプレでした。

千鳥大悟がダウンタウン松本人志に扮した姿。テレビ番組「酒のツマミになる話」の放送差し替えの原因とされたコスプレ。千鳥大悟がダウンタウン松本人志に扮した姿。テレビ番組「酒のツマミになる話」の放送差し替えの原因とされたコスプレ。

フジテレビの「コンプライアンス重視」と業界の疑問

複数の番組関係者によれば、今回の松本さんのコスプレがフジテレビのコンプライアンス規定に抵触したというのが、差し替えの理由とされています。近年、テレビ業界ではタレントの中居正広さんを巡る一連のトラブルなどを経て、リスク管理とコンプライアンス意識が極めて重視される傾向にあります。フジテレビも例外ではなく、その高い意識が今回の判断につながったと見られています。

しかし、この判断に対しては、業界内から納得しがたいとの声も聞かれます。ある番組関係者は、「大悟さんは昨年も松本さんのコスプレを披露し、視聴者にもおおむね好意的に受け入れられていた」と指摘。松本さんのコスプレが番組を差し替えるほどの「タブー」と認識されること自体が「やり過ぎ」ではないかとの意見です。また、放送当日に急遽内容を変更するという体制にも、企画段階での管理不足を指摘する声が上がっています。「企画段階で内容が把握できていたはずで、スタッフと話し合って決めた大悟さんがかわいそう」との声も聞かれ、共演者や番組スタッフ、クライアントを含め、多くの関係者がこの選択に困惑を隠せない様子です。

昨年も視聴者に受け入れられた千鳥大悟の松本人志コスプレ。今回はフジテレビのコンプライアンス規定に抵触し、番組変更を余儀なくされた。昨年も視聴者に受け入れられた千鳥大悟の松本人志コスプレ。今回はフジテレビのコンプライアンス規定に抵触し、番組変更を余儀なくされた。

リスク排除を目的としたはずの緊急措置が、かえって番組の信頼性や制作体制に物議を醸す結果となりました。今回の事態は、テレビ局が直面するコンプライアンスと表現の自由、そして視聴者への説明責任という、複雑な課題を改めて浮き彫りにしています。