事件現場の通称「タンク山」に建立された「なかよし地蔵」には花が供えられていた=神戸市須磨区で2022年5月21日午後0時16分、村田愛撮影
神戸市須磨区で1997年に起きた小学生連続殺傷事件で、小学6年だった土師(はせ)淳さん(当時11歳)が殺害されてから24日で25年となる。兵庫県警は「酒鬼薔薇聖斗(さかきばらせいと)」を名乗る声明文を出した当時14歳の少年を殺人などの容疑で逮捕。関東医療少年院(当時)に収容された男性は2005年に本退院し、社会復帰した。事件は刑事罰の対象年齢を16歳以上から14歳以上に引き下げる少年法改正のきっかけにもなった。淳さんの父守さん(66)が報道各社に手記を寄せた。(原文のまま)
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今年の5月24日は、私たちの次男・淳が亡くなって25回目の命日にあたります。この25年という年月は私たちにとっては本当に嵐のように過ぎ去ったように思います。しかし、何年経(た)とうとも、子供への想(おも)いは変わることはないと感じています。
今年も加害男性からの手紙は届いていません。以前から言い続けていることですが、何故、私たちの次男の命が奪われなければいけなかったのかについて、私たちが納得するような解答を求め続けています。彼は、私たちの問いに答える義務があると考えています。私たちから彼に対して何らかの行動を起こすことは出来ませんが、報道を通して訴えていければと思っています。
「全国犯罪被害者の会(あすの会)」は、18年に及ぶ活動で犯罪被害者を取り巻く環境を大きく改善しました。犯罪被害者等基本法の成立、被害者参加制度、賠償命令を盛り込んだ刑事訴訟法の改正、殺人事件における公訴時効廃止等、多くの法律や施策の制定を実現してきましたが、メンバーの高齢化等のため4年前に解散しました。しかしながら、代表幹事をされていた岡村弁護士が、特に経済補償について、4年前に比し全くの改善が認められないことに憤りを感じ、ご自分の最後の仕事にしたいという思いで私たちに声をかけていただき、「新あすの会」が創立されました。以前のような精力的な活動は難しいとは思いますが、岡村弁護士はじめ会員の方たちと、改めて犯罪被害者問題の改善に取り組んでいきたいと思っています。
令和4年5月24日 土師 守