穀物輸送船12隻がウクライナ出港 合意履行停止のロシアは警告


穀物輸送船12隻がウクライナ出港 合意履行停止のロシアは警告

ウクライナ産穀物の輸送のためボスポラス海峡を渡る貨物船など=トルコ・イスタンブールで2022年10月31日、ロイター

 ロイター通信などによると、12隻は計35万4500トンの穀物を積んでおり、1日当たりの輸送量としては7月の合意開始以降、最大となった。国連世界食糧計画(WFP)がアフリカ向けにチャーターした貨物船も含まれている。穀物輸出を監視するトルコ・イスタンブールの「合同調整センター」によると、この日の輸送計画はロシア側にも通告しているという。ウクライナのゼレンスキー大統領は31日、国連のグテレス事務総長と電話協議し、合意の継続を改めて確認した。

 一方、プーチン露大統領は31日のテレビ記者会見で「(合意履行を)取りやめるとは言っていない。中断すると言っている」と述べた。その上で、ウクライナが輸送回廊を軍事利用しているとして、「ウクライナは民間船やロシアの輸送船に脅威を与えないと保証しなければならない」と語り、ウクライナ側に譲歩を要求した。ロシア国防省も同日の声明で「(輸送船の)航行は受け入れられない。ウクライナ側が軍事利用しないとの義務を新たに受け入れるまでは、安全は保証できない」と警告した。

 穀物輸出の合意は7月、国連とトルコが仲介して成立。11月19日に延長期限が迫っていたが、ロシアは10月29日、ウクライナ軍が穀物の輸送回廊を使ってロシアの黒海艦隊にドローン攻撃を仕掛けたとして、合意への参加停止を発表した。ウクライナはこの攻撃への関与を認めていない。【金子淳】



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