ローンを組んで購入した車を所有権を持つ信販会社に無断で解体し、その大部分が海外に輸出されていたことが明らかになりました。愛知県警などは、外国人グループも関与している組織的な不法行為の可能性が高いと判断し、詐欺容疑などで捜査に乗り出しました。
信販会社は一般的に車を所有しており、車検証の所有者欄にもその名が記載されています。通常、車を購入した人はローンを完済した後に売却するか、車を買い取った業者がローンの残債を支払います。
愛知県警によると、岐阜県内の自動車解体業者の施設で2021年春以降、この信販会社のローンが未返済の乗用車約200台が解体され、その多くがマレーシアやタイなどのアジア各国に輸出されたそうです。輸出には所有者の委任状が必要ですが、車を解体し各パーツを「廃棄物」として輸出すれば委任状は不要です。これらの車は主に高級車であり、輸出先で再び組み立てられ、販売されていたと見られます。
愛知県警は、ローンが残っていることを承知で車を安く買い取り、解体業者に持ち込むブローカーが関与している可能性を疑っています。警察はこのブローカーに対して詐欺容疑や、車を売った人物への詐欺や横領容疑の適用などを検討していますが、「転売を重ねて解体業者に持ち込まれる車が多く、容疑者や犯罪行為の特定が難しい」と捜査関係者は話しています。
関係者によると、200台の解体車に加えて、この信販会社へのローン返済が滞っている車が全国で約150台あるとのことです。
日本クレジット協会（東京）によれば、このような未返済の車が輸出される例は把握していないとのことです。同協会の担当者は「複数の悪質な行為が介在している可能性があり、被害の拡大を強く懸念している」と述べました。
一方、被害に遭った信販会社は読売新聞の取材に対し、「そうした被害があるのは事実だが、警察も捜査中のため、詳細は話せない」とコメントしています。
このニュースは日本ニュース24時間より引用しました。
