「けんかはほとんどなかった」と明かすほど仲睦まじいダンカンさん夫婦。妻・初美さんが亡くなって今年で10年が経ちますが、抗がん剤治療中に届いたメールが今も消せないと語ります。(全3回中の1回)
■行きつけのママさんに相談していた
── テレビ番組のアシスタントのアルバイトに、奥さんの初美さんが応募してきたことがきっかけで交際スタート。その後、ダンカンさんが28歳、初美さんは20歳のときに結婚されました。奥さんはどんな方でしたか?
ダンカンさん:しっかりしていて芯が強い。あとハッキリものを言うね。俺が仕事で何か迷ったときも「世の中で好きな仕事をしている人はほとんどいないんだから、それが幸せだって思わないんなら辞めちゃえばいいじゃない」っていうような人ですね。
── 初美さんは20歳での結婚でしたが、お互い結婚願望はあったのでしょうか。
ダンカンさん:勢いですよね。20歳そこそこで何もわかってなかっただろうし、2人ともこの先のどんな人生設計をしていくとかまったく考えてなかったです。今思えばハッキリ言って「おままごと」ですよ。ただ、結婚して何十年か経って知り合いから聞いたんだけど、行きつけのスナックのママさんに芸人の妻としてどうしていけばいいか、相談していたみたいです。自分は女性の気持ちが全然わからないし、奥さんが家庭のことをやってくれるのが当たり前だって思っていたんです。でも、その裏では驚くほど努力があっただろうし、家族のために一生懸命尽くしてくれようとしたのに、当時はそれを考えてあげられなくて本当、申し訳ないって思いますね。
── 当時は朝方までお酒を飲むことも多かったとか。
ダンカンさん:週に5、6回は家に後輩10人くらい連れてきて、朝の4時だろうが5時だろうがママリン(初美さん)に「なんか作ってくれ」ってやってましたね。当時、飲み始める時間も遅かったんですよ。放送作家もやっていて、原稿書いて深夜1時とか2時から高円寺や新宿あたりで飲み始めて。当然、子どもが小さいときは「子どもたちを起こすな」ってよく怒られましたね。