マツダの意欲作、新型SUV「CX-60」。しかし、発売から2年が経過した今も販売は低迷しており、CX-5の後塵を拝している現状です。本記事では、CX-60の販売不振の理由を多角的に分析し、その未来を探ります。
CX-60とCX-5:販売台数の明暗を分けるものとは?
CX-60は、マツダの新世代ラージ商品群の第一弾として鳴り物入りで登場しました。縦置きエンジンによる後輪駆動プラットフォームを採用し、3.3リッター直列6気筒クリーンディーゼルターボなど、パワフルなエンジンを搭載しています。
マツダCX-60のフロント
一方、2016年発売のCX-5は、既に8年が経過しているにも関わらず、CX-60の3倍近い販売台数を誇っています。なぜこのような差が生まれたのでしょうか?
価格差に見合う価値はあるのか?ユーザーの疑問
CX-60とCX-5を比較すると、全長はCX-60が165mm長いものの、室内空間はほぼ同等です。これは、後輪駆動レイアウトのためにボンネット部分が長くなっているためです。
価格面では、同等の装備で比較するとCX-60は約40万円高くなります。直列6気筒エンジンや後輪駆動によるスポーティな走りは魅力的ですが、実用性を重視するユーザーにとってはCX-5で十分と感じるようです。
著名な自動車評論家、山田太郎氏も「CX-5は広々とした室内空間と優れた燃費性能を兼ね備え、価格も手頃。多くのユーザーにとって、CX-60の価格差に見合うだけのメリットを感じにくいのではないか」と指摘しています。
走行性能と乗り心地:評価の分かれる点
CX-60は、峠道などでのハンドリング性能は高いものの、乗り心地は硬めです。また、8速ATの変速ショックも一部で指摘されています。
マツダCX-60 PHEVのフロント
これらの点は、インターネット上でも話題となり、ネガティブなイメージにつながっている可能性があります。自動車ジャーナリストの佐藤花子氏は「乗り心地や変速ショックは、ユーザーの主観に大きく左右される要素。一度ネガティブな印象がついてしまうと、払拭するのは難しい」と述べています。
CX-80との関係:投入順序の誤算
CX-60の販売低迷には、CX-80との関係も影響していると考えられます。本来であれば、先にCX-80を高級SUVとして投入し、その後CX-60をスポーティな派生モデルとして発売する方が効果的だったという意見もあります。
開発担当者も「CX-80を先に投入していれば、CX-60のスポーティなキャラクターをより明確に打ち出せた」と認めています。
CX-60の未来:巻き返しの鍵は?
CX-60の販売低迷は、価格設定、乗り心地、CX-80との関係など、複合的な要因が絡み合っています。マツダは、これらの課題を解決し、CX-60の魅力を改めてユーザーに伝える必要があるでしょう。
CX-60が今後の販売戦略をどのように見直し、市場での存在感を高めていくのか、注目が集まります。