子供からお年寄りまで誰が見ても楽しめる日曜日の科学バラエティー番組が、8日から金曜日に舞台を移す。でんじろう先生は「実験の面白さと演者さんの持ち味とがうまくミックスできたら、皆さんに楽しんでもらえる番組になっていくんじゃないかなと思っています」と自信を見せる。
やってみないと分からない実験の意外性と、体験したタレントたちの反応の面白さが番組最大の魅力だ。
体を張った実験に参加してきた春日は「どうなるか分からないから、みんな素の表情というか、ほかの番組では見られないようなリアクションがある」。番組を進行する若林も「何が起こるか分からないから、そこをでんじろう先生が着地させてくれたり、着地できないときに、私が拾えないこともある。そういった意味でも実験です」と話す。
サイエンスプロデューサーとして解説をしつつ、ときに暴走するでんじろう先生と、その余波を受ける春日、ブレーキ役である若林のコンビネーションも番組の見どころの一つとなっている。
「予定調和でやると、収まりが良すぎて、はみださない感じがある。少したがを外してしまうほうが何かはじけるのかな」と話すでんじろう先生に対し、春日は「でんじろう先生を止めるよりも自分の身を守っているというほうが近い」。若林も「気づいたらやっちゃってるときがあるので、必ず目を離さないようにしています」と笑う。
取材時の受け答えも、まるで漫才を見ているよう。でんじろう先生が「僕は本当は真面目で落ち着いた性格ですから」と話すと、すかさず若林が「その印象はないです」と突っ込む。それぞれの役割をきちんと理解する3人が、番組を盛り上げている様子がうかがえた。
輪ゴムの力でカートを引っ張って時速100キロ超えを目指したり、最強といわれる磁石を使って人間をくっつけたり…。これまで数々の実験を披露してきたが、でんじろう先生は「実験は昔からいろいろなものが考案され、掘り出す鉱脈は無限にある。こういう実験番組ってあるようで、そんなにはない。面白い実験がこんなにあるんだよと、番組を通じてどんどん表に出していければ」と語る。実験とタレントの“化学反応”で、今後も新たな驚きと笑いをお茶の間に届けてくれそうだ。 (文化部 森本昌彦)
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よねむら・でんじろう 昭和30年生まれ、千葉県出身。自由学園講師、都立高校教諭を経て平成8年に独立。サイエンスプロデューサーとして、科学実験の企画・開発や、各地でサイエンスショーなどを展開している。
オードリー 若林正恭(わかばやし・まさやす、昭和53年生まれ)と春日俊彰(かすが・としあき、昭和54年生まれ)が平成12年にお笑いコンビ、ナイスミドルを結成。17年にオードリーに改名。数々のテレビ番組などで活躍する。