セルフレジ、便利ですよね？でも実は、利用を敬遠する人が増えているという現実をご存知ですか？コロナ禍で急速に普及したセルフレジですが、その利便性とは裏腹に、利用者からは様々な不満の声が上がっているようです。今回は、セルフレジ離れの現状、そしてその意外な理由に迫ります。
なぜ使わない？セルフレジ離れの背景
全国スーパーマーケット協会の調査によると、2024年のセルフレジ設置企業の割合は37.9％と、2019年の11.4％から約5年間で3倍以上に増加しています。まさにセルフレジ全盛期とも呼べる状況ですが、利用者の反応は様々です。当初は物珍しさもあって利用者が多かったものの、最近では有人レジに並ぶ人が増えているという声も聞かれます。
セルフレジのイメージ
「タダ働き」感？意外な不満の声
IT企業勤務の40代女性Aさんは、「セルフレジは店員さんの仕事を代わりにやっているようなもの。その分の対価がないのは納得いかない」と話します。多くの商品をスキャンする手間、袋詰め、支払い操作…これらは本来店員が行う業務です。Aさんは「人件費削減の代わりに客に負担を強いているのでは」と疑問を呈し、「有人レジを有料化するなど、何らかのメリットが欲しい」と訴えています。
有人レジに行列ができることも
高齢者の不安：操作の複雑さと釣銭の取り忘れ
セルフレジの操作に慣れていない高齢者からも、戸惑いの声が聞かれます。60代主婦のBさんは、「操作は覚えたが、店員にやってもらった方が速くて安心」と話します。特に現金支払いの際、お釣りの取り忘れが心配だといいます。「1万円札を入れてお釣りを受け取る際、小銭だけ取ってしまい、お札を取り忘れることが何度かあった。店員さんに追いかけてもらうのは申し訳ない」とBさんは語ります。レジ操作の複雑さやお釣りの取り忘れへの不安は、高齢者にとって大きな負担となっているようです。
専門家の見解：セルフレジの未来
流通経済研究所のC氏（仮名）は、「セルフレジの普及は不可逆的な流れ」としながらも、「顧客満足度を高めるためには、更なる改善が必要」と指摘します。操作の簡素化、分かりやすいインターフェース、そして何よりも利用者へのメリット提供が重要だとC氏は強調します。
まとめ：顧客目線のサービス向上を
セルフレジは確かに便利なシステムですが、現状では全ての利用者にとって最適なサービスとは言えないかもしれません。利用者の声に耳を傾け、更なる改善を重ねることで、より快適で使いやすいシステムへと進化していくことが期待されます。
