ブツリと切れた高架、駅舎だけバッサリ消された廃墟…高速、空港、名鉄に囲まれた廃線「ピーチライナー」跡には何がある?


 廃線跡を辿る旅は、それが都市の近くであっても意外と大変なのだ。何しろ廃線になったからにはそれ相応の理由があるわけで、歩き疲れたからといってひと休みできそうな場所を探すのもひと苦労。降り注ぐ日差しを避けるところもなければ、寒さを凌ぐホット缶コーヒーにすらありつけない。

▼画像▲ブツリと切れた高架、駅舎だけバッサリ消された廃墟…廃線「ピーチライナー」跡を写真で一気に見る

 そんな経験をしたことがあるから、廃線歩きは気候の良い初夏に限ると思っている。……などと御託を並べながらやってきたのは、愛知県は小牧市だ。

高速に鉄道、空港も…小牧市は愛知のどこにある?

 ついでに言うと、中部国際空港開港までは名古屋の空の玄関口だった小牧空港も。鉄道という点では名鉄小牧線だけだが、総じて交通の便には恵まれまくっている町といっていい。

 そんな小牧市に、かつてピーチライナーというなんともかわいらしい名前の鉄道路線があった。

 正確には新交通システム(ゆりかもめや日暮里・舎人ライナーの仲間だ)で、1991年から2006年までのおよそ16年間にわたって小牧駅と小牧市東部の桃花台ニュータウンを結んでいた。

 走っていた時代がそのまま平成不況と重なるような、まるで時代の徒花のようなピーチライナー。いったいどんな路線なのか、小牧駅から廃線跡を辿ることにした。

名古屋から乗り換え2回、車両に揺られて40分。当時の駅舎は…

 小牧駅部分は地下にホームを持ち、直上には名鉄小牧ホテルが建つ。西側には立派な駅前広場を持ち、15万都市のターミナルらしい設えの駅だ。訪れた平日の真っ昼間、人通りが少なく感じられるのもベッドタウンだからこそ、だろうか。



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