【AFP=時事】スペインのペドロ・サンチェス首相は17日、イスラエルによる「ガザでの虐殺」の阻止に向け国際圧力の強化を呼びかけるとともに、スペインとして、ガザへの人道物資搬入をめぐり国際司法裁判所(ICJ)の判断を求める国連決議の提出を計画していることを明らかにした。
サンチェス氏はイラクの首都バグダッドで開かれたアラブ連盟の首脳会議に出席し、イスラム組織ハマスによる2023年10月のイスラエル攻撃を端緒とした戦闘によりガザでは「受け入れがたい数」の犠牲者が出ており、「人道原則」に反していると非難。「2023年10月以降、ガザが耐え忍んできた極めて深刻な人道危機は5万人以上の死者、10万人の負傷者、200万人の避難民を生み出した」と指摘した。
サンチェス氏は各国指導者に向け、「特に国際法で認められた手段を通じてガザでの虐殺を止めるようイスラエルへの圧力を強めるべきだ」と訴えた。
その上で、スペインとして、「ガザへの人道援助アクセスに関するイスラエルの国際義務順守に関し、ICJに判断を求める提案を国連(UN)総会に提出する」と述べた。ガザへの物資搬入は3月2日以来、完全に阻止されている。
サンチェス氏は、紛争の「政治的解決」の促進が優先事項であり、「この地域の平和への唯一の道」はイスラエルとパレスチナの紛争をめぐる「二国家解決の実施」だと主張。「他の国々にパレスチナ国家を承認するよう、改めて強く促したい」と語った。
サンチェス氏は、サウジアラビアで6月に予定されている二国家解決に関する国際会議が「歴史的な機会」となり、進展が見られることに期待を寄せる一方、「それが成功するのは広範なアラブと欧州の合意があり、国際社会全体による確固たる行動が伴う場合のみだ」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News