高齢化が進み、一人暮らしの生活がいっそう厳しくなる中、生活保護に頼る人も少なくありません。生活保護の支給や終了にはルールがあり、受給者数や再申請の難しさなど、知っておきたい現状は多くあります。
本記事で生活保護の実態や制度の仕組みを、最新のデータとともに見ていきましょう。
生活保護受給者数は本当に減少しているのか? 最新データで検証
生活保護制度は、生活に困窮する人々に対して最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的としています。
近年、生活保護の申請件数は増加傾向にありますが、受給者数は減少しています。厚生労働省が実施した「被保護者調査」のデータによると、2024年の生活保護申請件数は25万5896件で、過去12年で最多であるようです。
一方、同年12月時点での生活保護受給世帯数は165万2199世帯で、前年の同月と比較すると1577世帯減少しており、 2025年2月には受給者数が200万人を切りました。このような傾向は、経済的に困窮した単身世帯の増加が影響していると分析されており、今後の動向に注目が集まっています。
生活保護が終了する主な理由とは?
生活保護の支給が終了する理由は多岐にわたりますが、主なものとして以下が挙げられます。
(1)自立による終了
受給者が就労により、生活保護に頼らず生活できるようになった場合、支給は終了します。これは制度の目的である「自立の助長」に基づくもので、支援の成果ともいえます。
(2)死亡による終了
高齢の受給者が多いため、死亡によって支給が終了するケースも少なくありません。特に高齢者世帯では、健康リスクが高く、死亡による終了が最も多い理由となっています。
(3)不正受給による終了
収入の無申告や過少申告など、不正受給が発覚した場合、支給は打ち切られます。不正受給の件数は毎年増加傾向にあるようで、そのうち6割は稼働収入の無申告や過少申告が原因といわれています。
これらの理由により、生活保護の支給は終了しますが、再度生活に困窮した場合には再申請できます。