米が高いと感じるのは国民感覚がおかしいからなのか…巨大農業組織JAの基本姿勢は「補助金をもっとください」


国民は「わかってない」豪語する“上から目線”

 現実を見失ってしまっている主張に対して、どこから説明して差し上げればいいのかわからないが、家で炊いたお米の原価とコンビニのサンドイッチを比べても仕方がない。お米にサンドイッチ同様の具材をつめて、コンビニで並べたときの値段を比べるか、家で小麦から食パンを作ったときの小麦の原価と比べるべきである。

 ちなみに、レンジで温めて食べる「ごはん」は一人前で、セブンイレブンで181円である(7プレミアム特別栽培米宮城県産ひとめぼれ)。サンドイッチと比べるためにはここに具材を加えるわけだが、どう考えてもお米の方が高くなりそうである。

 また、価格の絶対値ではなく、問題は「相対的な価値」にある。所得が伸び悩み、他の食品価格が上昇する中で、なぜ国内米だけが高止まりするのか、その構造に対する問いに答えることなく、飲食店の「ご飯無料サービス」の例を持ち出して消費者を諭す姿勢は、支配的立場からの居丈高な論調に過ぎない。無料提供される米の原価は、多くの場合、業務用価格や販促費用に基づく戦略的価格設定の一環であり、それを個人消費の適正価格と混同することは経済論理のすり替えである。



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