「戦闘なしで台湾を屈服させる方法」 中国の軍事雑誌に掲載されたシナリオとは


【写真】空母「山東」のスキージャンプ台を利用して発艦する中国戦闘機「J15」

 5月26日付で香港のサウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)紙が報じたところによると、中国の軍事専門雑誌『艦船知識』は、最新号にこうした内容を載せた。同メディアは「台湾は発電所・変電所・通信施設だけでなく交通・医療など主要インフラのおよそ60%が北部に集中している」とし「ここを破壊することで“バタフライ・エフェクト(非常に小さな変化が大きな影響を生み出す現象)”のように連鎖的に台湾を崩壊させることができる」と主張した。『艦船知識』は1979年創刊の、影響力のある海軍艦艇関連誌で、中国の国有企業である中国船舶工業集団(CSSC)が作った雑誌だ。

 台湾北部には、TSMCの半導体パッケージ工場が置かれている竜潭科学園区(竜潭サイエンスパーク)と、ここに電力を供給する竜潭超高圧変電所などがあり、ここが攻撃されたら国家システムがまひするだけでなく、半導体という核心産業まで衝撃を受けかねない。

 同メディアはまた、自然災害が発生したり選挙があったりする混乱期が攻撃に最も適した時期だとして「台風が来る直前、夏の平日の午後」をピンポイントで挙げた。さらに、精密誘導兵器を用いた物理的打撃のほかにも、サイバー攻撃を通したシステムダウン、人工的な山崩れを引き起こすといった手法も列挙した。

 1979年に創刊された『艦船知識』はCSSCが発行しており、以前から具体的な台湾攻撃シナリオを提示してきた。SCMPは「今年4月に中国軍が繰り広げた大規模な台湾包囲演習で、実際に台湾最大の液化天然ガス(LNG)ターミナルを攻撃目標に設定するなど、類似の戦術がキャッチされた」と伝えた。台湾は、これに対し特に反応を見せていないが、以前からこうしたシナリオに備えてエネルギー・通信施設の分散と復元システムの構築、サイバーセキュリティー強化に力を注いでいるという。

キム・フィウォン記者



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