TACO、MEGA、FAFO……。トランプ米政権の関税政策などを皮肉る「略語」が投資家たちの間で人気だ。ロイター通信が流行中の四つの略語を報じた。
まず「Trump Always Chickens Out(トランプはいつもビビってやめる)」を略した「TACO(タコ)」。英紙フィナンシャル・タイムズのコラムニストが広めた造語で、関税政策を巡って態度を二転三転させるトランプ大統領への皮肉が込められている。5月28日に記者からTACOについて尋ねられたトランプ氏は「二度と言うな。意地悪な質問だ」と憤慨した。
トランプ氏のスローガン「MAGA(マガ=米国を再び偉大に)」と同じだが、正反対の意味を含む「MAGA」も話題だ。こちらは「Make America Go Away」(アメリカは消えてくれ)を略した言葉。トランプ氏が「購入」への意欲を示すデンマーク自治領グリーンランドを米国のバンス副大統領が3月に訪れたが、実質的な成果がなかったことを冷やかしている。
ロイターによると、このMAGAは最近、カナダの市場関係者の間で流行。カナダ人投資家は「米国への投資をやめたいという願望を表している」とロイターに語った。
欧州では2024年の造語「MEGA」(メガ、Make Europe Great Again=ヨーロッパを再び偉大に)が再び注目されている。
4月2日にトランプ氏が全ての国に対する一律10%の関税と、対米貿易黒字の多い約60カ国への上乗せ関税を組み合わせた「相互関税」を発表。米国経済の先行きが不透明になり、欧州市場に投資が流入したことでMEGAが話題になったという。
最後は「FAFO」(Fuck Around and Find Out=ふざけたまねをすると痛い目に遭う)。トランプ氏が今年1月に大統領に就任する前からあった略語だが、最近はトランプ氏の政策による市場の混乱を表す言葉として、よく使われるようになった。
これらの略語について、ホワイトハウスの広報担当者はロイターの取材に対して「ばかげた略語」と指摘。「トランプ大統領の政策は、すでに予想を上回る雇用、数兆ドル規模の投資の表明、歴史的な英国との貿易協定、消費者の信頼感の上昇につながっている」と自賛した。【古川幸奈】