銘柄米の価格も下がる兆しが見えてきました。随意契約の備蓄米が流通し始めたことで、市場では「大きな値崩れが始まった」との声が。
■備蓄米 雨にも負けず行列
3日も古古米の備蓄米を求めて、開店前から長蛇の列が。
千葉県市川市にあるアイリスグループのホームセンター「ユニディ菅野店」です。夜勤明けで並んでいる人も…。
夜勤明けで並ぶ人(40代)
「いつも買っているコメ店が(5キロ)4800円と高くなってしまったので、それプラス備蓄米で半半にして自宅でブレンドして食べていこうかと」
5キロ2160円の備蓄米を、195袋販売します。なかには、5時間も並んで古古米を購入する人もいました。30分で195袋が売り切れました。
備蓄米を購入(60代)
「浸水時間をちょっと長めにして、水も多めにして食べてみようと思う」
60代の女性は、自宅に帰ると、早速鍋で備蓄米を炊きます。
徐々に2000円の備蓄米が食卓に届いていく一方で、新たな問題も浮上しています。
朝、小泉進次郎農水大臣は(44)…。
小泉農水大臣
「安い備蓄米、随意契約による備蓄米が出てくることによって、今までの1回目から3回目の入札米が少し高めの水準になるので、『どうしようか』という声があるのは承知している」
これまでの競争入札と現在の随意契約では、備蓄米の店頭価格が1500円ほど差が出ています。
小売店などからは、「入札の備蓄米が売れなくなる」と不安の声も上がる中、新たな方針が示されました。
「仮にこれまでの入札で政府備蓄米を売り渡した買受者が、売り渡された政府備蓄米を返還したいという意向であれば、適切に対応して有効に活用したいと考えている」
小泉大臣は、入札の備蓄米について、事業者側が国への返還を希望すれば買い戻しに応じる考えを示しました。
入札分の備蓄米を今週入荷する予定のスーパーです。コメの品薄が続くなか、日々目まぐるしく変わる政府の方針に困惑しています。
ベニースーパー佐野店
赤津友弥本部長
「いま複雑なコメ環境になっている中で、さらに複雑な環境になり、余計小売店で物がどんどん置けなくなるという状態に近づくのではないかと懸念される」
「日々の発注でまかなうというよりは、1週間、2週間、1カ月のサイクルでコメは回しているので、急に変わる政策に合わせて、すぐ売り場が変えられるかといったら、なかなか難しい問題」
さらなる課題は、銘柄米の価格が高止まりしていることです。5キロで、5000円を超えるブランド米もあります。
スーパーマルサン久喜店
小澤清さん
「銘柄米に関しては4000円を切るのは難しい。仕入れ原価があるので、それが下がってきていない。今月もある取引先に関しては値段を上げている状態なので、なかなか難しい」
全国のスーパーで販売されたコメの平均価格は、5キロあたり4260円。依然として去年に比べて2倍の高値が続いています。