大手コメ卸の木徳神糧は11日、社長名義でHPに声明文を公表しました。その中で備蓄米の流通について、「弊社が市場価格を釣り上げたり、買い占めや出し惜しみによって流通を阻害したりといった事実は一切ない」と訴えました。また、「取引価格の不当な操作は行っておりません」としています。
大手の卸売会社をめぐっては、小泉農水相が今月5日、国会の答弁でコメの流通にはブラックボックスがあるとの指摘にふれ、流通を可視化する必要性を強調しました。その上で「大手の卸売業者の中には、前の年と比べて営業利益が500%くらいの会社もある」と発言していました。
木徳神糧によりますと、第1四半期の米穀事業における連結累計期間の営業利益はおよそ19億円と、前の年の同じ時期と比べるとおよそ487%だということですが、小泉農水相の発言以前から、問い合わせや誹謗を含む過度な反響が多く寄せられているといいます。
そうした中、コメの流通の一部を担う会社として「社会的責任を第一に考え、安定供給の維持と流通の正常化に努めている」姿勢を、国民に知ってもらいたいとの意図で、声明文を公開したとしています。
木徳神糧は、営業利益が大幅にあがった主な要因として、コメの価格が高騰する中で取引先との交渉を通じて価格転嫁を適切に進めることができたこと、スーパーなどでの値引き販売の減少などで利幅が改善したことなどを挙げています。