れいわ新選組、山本譲司氏が参院選東京選挙区からの立候補表明

元衆院議員の山本譲司氏(62)が6月16日、国会内で記者会見を行い、7月に予定される参院選の東京選挙区から、れいわ新選組公認で立候補することを正式に表明しました。「山本ジョージ」として選挙戦に臨む意向を示し、会見には同党代表の山本太郎氏が同席しました。

これまでの経歴と過去の問題

山本氏は、菅直人元首相の秘書や東京都議会議員を経て、衆議院議員を務めた経歴を持ちます。しかし、衆議院議員在職中に政策秘書給与の流用問題が発覚。その後、政治資金規正法違反の容疑で逮捕・起訴され、懲役1年6月の実刑判決を受けました。

出所後の活動と今回の出馬理由

刑期を終えた山本氏は、出所者や生活困窮者への就労支援、生活支援活動に尽力してきたことで知られています。作家としても活動し、様々なメディアで積極的に発信を行ってきました。

山本氏によれば、れいわ新選組が2019年4月に結党された際にも、山本太郎代表から出馬の打診があったことを明かしました。当時は応じませんでしたが、今回再びの要請を受けるきっかけの一つに、自身の体調問題があったといいます。

体調の問題

「3年前のコロナ禍のころ、全身に激痛が走った。前立腺がんが全身に転移していたが、幸いにして治療でみるみる回復し、今では身体からがんが消えた」と自身の経験を語りました。

高額療養費制度見直しへの危機感

この自身の経験の流れで、今年前半の通常国会で大きな問題となった、患者負担の月額医療費の上限を定める「高額療養費制度」の見直しを巡る政府の対応に言及。「刃物を突きつけられたように思った。これでは投薬治療ができなくなる」と感じたといいます。そして、「政治というものは有無を言わさず、人の生きる権利を奪っていると、ふつふつと怒りがこみ上げてきた。社会的弱者といわれる人はいつもこうやって、一方的にこういう目に遭わされている」と、制度見直しへの強い危機感を訴えました。

命がけの決意

このような状況下で、山本太郎代表から再び出馬の打診があったとのこと。当初は選挙活動への不安や健康問題に対する家族の懸念から返事を保留しましたが、主治医から太鼓判を押されたことで決断に至ったと説明しました。「自分に残された命はけして長くはないと思う。あと10年くらいではないか。ここは社会を変えるために、命がけで頑張りたいと思った」と、今回の立候補への強い決意を語りました。

山本譲司氏の参院選出馬会見 れいわ新選組の山本太郎代表と共に山本譲司氏の参院選出馬会見 れいわ新選組の山本太郎代表と共に

日本を変えたいという訴えと東京選挙区の現状

山本氏は、「日本は貧困大国、弱者の排斥大国だ。日本をぜひ変えようという思いで立候補を決意した。票欲しさではなく、自分の思いを正面から愚直に訴えていきたい」と、貧困や弱者排斥といった社会問題への強い問題意識を選挙戦の柱とする考えを示しました。

参院選の東京選挙区は改選数6議席に加え、今回は任期3年の1議席が加わるため、合計7議席を争うことになります。各政党が最重要視する選挙区であり、毎回多数の候補者が乱立するため、今回も大激戦となることが見込まれています。

山本譲司氏の過去、出所後の活動、そして自身の病気経験と高額療養費制度への問題意識に基づいた今回の出馬表明は、今後の選挙戦において注目されるポイントとなりそうです。


参考文献

  • Source link (Yahoo!ニュース / 日刊スポーツ)