小泉進次郎農相、福島「田んぼ座談会」写真に辛辣批判 「絵作り」「拷問」の声

農林水産相である小泉進次郎氏(44)が6月15日、就任後初めて福島県を訪問し、農業、漁業、林業の生産者らと意見を交わした。特に南相馬市では、随意契約による備蓄米の販売開始を控える中、コメ問題について生産者らと対話を行った。「一番実現したいことは、ちゃんと生産者の皆さんが、これから次の将来に向けて継続的なコメ作りができるようにすることと、消費者の皆さんに理解をしていただく環境をつくること」と訴え、一連の政策への理解を求めた。

福島訪問の目的と「田んぼ座談会」の状況

小泉農相の福島訪問は、備蓄米の放出など政府の農業政策について生産者の不安を払拭し、協力を得ることも目的の一つだった。現地では生産者に対し、「消費者の皆さんのコメ離れを防がなければいけない」「(コメの販売価格が)ずっと2000円だと思っていない」などと説明した。

同日、小泉農相は自身のX(旧ツイッター)で《南相馬の田んぼの前でコメ農家さんとJA関係者の皆さんと意見交換。率直なご意見ありがとうございました》と報告。これにあわせて、生産者らと車座になって対話する様子を写した写真を投稿した。しかし、その写真は青空の下、田んぼの真ん中にあるあぜ道に椅子を並べ、座って意見交換している場面を捉えたものだった。

小泉進次郎農相が福島訪問中、炎天下の田んぼの真ん中で農家らと座談会を行う問題の写真小泉進次郎農相が福島訪問中、炎天下の田んぼの真ん中で農家らと座談会を行う問題の写真

政治部記者が指摘する「絵作り」の意図

全国紙政治部記者によると、農相として政務を報告すること自体は問題ないとしつつも、今回の写真については「ご高齢の農家の方々を、室内ではなくわざわざ直射日光が降り注ぐ炎天下の田んぼに椅子を運んできてまで座らせています。こうした“入念な画作り”に対して“写真映えのためでは?”と疑問の声が上がるのも致し方ありません」と指摘する。意見交換という目的よりも、絵になる場面を演出することに重きが置かれているのではないか、という見方だ。

SNS上での辛辣な反応:「炎天下」「やってますアピール」

この「田んぼ座談会」の写真に対し、X上では「パフォーマンスではないか」との厳しいツッコミが相次いだ。
《なんでこんな暑い中、わざわざ外でやるの? 完全にやってますアピールじゃん。会議室でやれよ》
《目的は意見交換じゃなくて、この絵作りでしょ…》
《写真映りのために老人に直射日光を当て続けている構図以外の何ものでもない》
《こんな暑い時に、ご年配の方々を冷房の効いた涼しい部屋じゃなくて、日当たりの良い外に連れて行って長々と話をする拷問をしてて草》
といった声が投稿され、炎天下での実施や、高齢者への配慮の欠如を指摘する批判が見られた。

相次ぐ「アピール」と次期首相への展望

小泉農相は、以前にも自身の行動をアピールする投稿で物議を醸している。6月13日にはXに《今日はお昼を食べながら、備蓄米のスムーズな受渡しのため協力して下さっている国の受託企業の方々にお礼と引き続きのご協力のお願いの電話をしました》と、昼食中に電話をかける動画を投稿。「非常識」「迷惑だろ」などの批判を受けていた。

産経新聞社とFNNが最近実施した世論調査では、小泉農相が次期総理に最もふさわしい人物として挙げられている。前回の自民党総裁選では経験不足が不安視され、決選投票に進めなかった経緯がある。今回の備蓄米に関する一連の動きを「手柄」とし、積極的なアピールを積み重ねることで、来る総裁選や次期首相の座を見据えている狙いがあるのかもしれないと前出の政治部記者は分析する。

結論

今回の福島での「田んぼ座談会」写真に対する批判は、小泉農相の「見せ方」への意識の高さが裏目に出た形と言えるだろう。政治的な実績をアピールすることは重要だが、その手法が高齢者への配慮を欠くような印象を与えたり、「絵作り」と受け止められたりするようでは、かえって信頼を損なう可能性もある。国民からの支持を集め、次期首相へのステップアップを目指す上で、どのようなアピールが本当に効果的で、有権者の心に響くのか、そのバランスが改めて問われている。

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