もうすっかり薄着の季節。Tシャツがかっこよく着られる引き締まった体つきを目指して、ジムに通って筋トレで汗を流している方も多いことでしょう。
せっかく筋トレするのだから少しでも筋肉量アップにつながるように、高タンパク質+低糖質の食事を心がけるのは、筋トレ界隈ではもはや常識。
ところが、実はその高タンパク質+低糖質食は、筋肉量アップにつながらないばかりか、かえって脂肪を増やしているかもしれません。
のべ30万人以上を診察した内科医の奥田昌子医師は、新著『これをやめれば痩せられる』で、科学的根拠をもとに日本人がもっとも効率よくやせる方法を紹介。
以下ではその奥田医師が、「筋トレに最適なタンパク質摂取量」について解説します。
■日本人は筋肉が大きくなりづらい体質
減量したいけど、筋肉は落としたくないよな。ほら、肉体改造っていうの? どうせ改造するなら筋肉つけてさ、カッコよくなりたいじゃない。それなら、タンパク質摂って筋トレでしょ。
そのとおり。筋肉の材料になるタンパク質をしっかり摂取して筋トレすれば、筋肉が太く、大きくなります。
それに、運動には男性ホルモンであるテストステロンを増やす力があるのも見逃せません。
テストステロンにはエネルギー消費を促して脂肪を燃焼させる働きがあり、とくに筋トレによってテストステロンが増える効果はよく知られています。
筋トレを続けると筋肉細胞は毎日壊れて、新しい細胞が作られます。60日程度ですべての細胞が生まれ変わると考えられていることから、まずは60日間、続けたいですね。
ただ、これがダイエットに役立つかは別の話です。筋肉を太くして基礎代謝量を上げようにも、脂肪が落ちると、そのぶん基礎代謝量は下がってしまいます。
また、筋トレでテストステロンが増えるといっても、その効果は一時的です。
理屈どおりにはいかないものですが、頑張って筋肉を増やせば、血糖値が下がりやすくなります。筋肉が大きくなることで、あまったブドウ糖を筋肉にたくさん貯蔵できるようになるからです。
食後すみやかに血糖値が下がれば、糖質が脂肪に変わりにくくなりますね。
日本人は遺伝的に、筋肉を太く大きくするのが簡単ではないものの、それでも努力するのがダイエットの道です。