複数の米メディアは21日、米軍のステルス爆撃機B2が中西部ミズーリ州のホワイトマン空軍基地を離陸したと報じた。複数機で西方へ向かったという。B2爆撃機は、トランプ米大統領がイラン中部フォルドゥの核施設攻撃に踏み切った場合、地下貫通弾(バンカーバスター)を搭載できる唯一の航空機となる。
米政府関係者はウォール・ストリート・ジャーナル紙に対し、現時点で出撃命令は出ていないと述べた。最新型バンカーバスター「GBU57」は重さ約3万ポンド(約1万3600キロ)の精密誘導弾で、山岳地帯の地下深くにあるウラン濃縮施設の破壊も可能とされる。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は、政府関係者の話として、米軍がステルス戦闘機F22・F35、F16戦闘機を欧州から中東各地に追加派遣したと報じた。B2爆撃機の護衛や、イラン側が報復に転じた場合に米軍部隊を守る役割が想定されているという。
NYTによると、トランプ氏は21、22の両日、ホワイトハウスで国家安全保障会議(NSC)に出席。イランへの攻撃について、19日に「2週間以内に決める」と表明した。攻撃の準備を進めつつ、圧力を強めてイラン側から譲歩を引き出す狙いもあるとみられる。【ワシントン金寿英】