TVアニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX（ジークアクス）』第11話に登場した「ガンダム」と思しき機体が大きな話題となっています。これは、アニメ『機動戦士ガンダム』の主役機として知られる「RX-78-2 ガンダム」のことです。これに関するSNSでの投稿を見ると、他の「ガンダム」と区別するためか、「RX-78-2」という型式番号を記す例が多く見られます。この型式番号は、「RX-78」型の2番目の仕様であることを示しています。長年のファンにとっては周知の事実ですが、つまりアムロ・レイが搭乗した機体は「RX-78 ガンダム」の2号機にあたります。そして、この「RX-78」型ガンダムは、1号機から実のところ8号機までが設定されています。それぞれの機体はどのような仕様だったのでしょうか。
「ファーストロット」のRX-78
RX-78型ガンダムの最初の生産グループは「ファーストロット」と呼ばれ、主に試験運用を通じて基本設計の確立を目指しました。
RX-78-1 プロトタイプガンダム
1号機は「プロトタイプガンダム」の名で知られる機体です。プラモデル企画「MSV（モビルスーツバリエーション）」によってキット化され、広く認知されました。各種データ収集や基本性能のテストのために製造された試作機とされています。後の改良型の基礎となりました。
RX-78-2 ガンダム
アムロ・レイが搭乗した機体であり、『機動戦士ガンダム』の物語における主役機です。プロトタイプガンダムでの試験結果が反映され、細部に設計変更が加えられました。サイド7で偶発的にジオン公国軍の襲撃に巻き込まれ、モビルスーツとして初の戦闘を経験しました。その後、幾多の戦いを経てアムロと共に成長し、ニュータイプ能力の発現にも対応していきました。
RX-78-3 G-3ガンダム
モスク・ハン博士の手により、各関節にマグネットコーティング処理が施され、機体の追従性、特にアムロの反応速度に対応するためのレスポンスが大幅に向上した機体です。RX-78の3番目の仕様であることから3号機と呼ばれます。講談社刊行の書籍「モビルスーツバリエーション3 連邦軍編」によると、「G-3」は無線コードネームからそのように呼称されるようになったとされています。また、反応炉用のレーザー加速器が新型に換装され、従前の2倍の運動性能を獲得したといいます。
マグネットコーティングが施された「G-3ガンダム」（RX-78-3）のガンプラ。MG 1/100スケール、Ver.2.0
「セカンドロット」とその発展型
ここまでのファーストロット3機を踏まえ、RX-78型のさらなる可能性を探るために建造されたのが「セカンドロット」以降の機体です。特定の任務や運用コンセプトに基づいた改良が施されています。
RX-78-4 ガンダム4号機
セカンドロットの最初の機体です。モビルスーツ単体で高出力メガ粒子砲を運用することを前提に設計されました。長距離からの高火力攻撃を得意とする機体として開発が進められました。
RX-78-5 ガンダム5号機
4号機と基本設計を同じくする機体ですが、こちらは実体弾を使用する空間制圧用の大型火器、ジャイアント・ガトリング砲を主兵装として装備しています。接近戦や制圧射撃に特化した仕様と言えるでしょう。
RX-78-6 ガンダム6号機「マドロック」
ビーム・ライフルがエネルギー切れになった後の火力をいかに補うか、という課題に対応するため、両肩に低反動キャノン砲、腕部にグレネードランチャーといった実体弾兵器を多数装備した機体です。これらの重火器による重量増を補うため、ホバー移動能力も付与されました。
RX-78-7 ガンダム7号機
増加装甲や増加武装の運用を前提とした設計の機体です。後から追加される外部装備によって様々な運用形態をとることが可能です。その増加装甲には2種類が用意されており、ファーストアーマーと呼ばれる増加ユニットを取り付けた状態は「FA-78-3 フルアーマーガンダム7号機」、セカンドアーマーを取り付けた状態は「HFA-78-3 重装フルアーマーガンダム」と呼ばれ、それぞれ異なる戦闘コンセプトを持っています。
以上の1号機から7号機までが、2025年6月現在において、デザインや設定として具体的な「カタチ」を持っている「RX-78 ガンダム」のバリエーションです。8号機については「存在する」という設定のみで、詳細なデザインなどはまだ明らかにされていません。
また、話題となっている新アニメ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の名称「ジークアクス」が、「9号機」を意味しているのではないか、という興味深い説が存在します。例えば、TVアニメ本編中で主要キャラクターの一人であるシャリア・ブルが、登場した機体を「ガンダム クァックス」と呼んでいます。これは、すなわち「G（ガンダム）」と「QuuuuuuX（クァックス）」と理解できます。そして、この「quuuuuux」という単語は、プログラミングなどで数式を書く際に、特に意味を持たない変数につける名前の一つである「メタ構文変数」であり、その中でも9番目に使われる名前として解釈できることから、「9番目のガンダム」を示唆しているのではないかと考えられているのです。
設定上存在するものの、いまだその姿を現していない8号機は、いつか世に出る日は来るのでしょうか。今後の展開が注目されます。
