東京都議選 自民党「惨敗」後の「追加公認」に怒りの声 裏金問題候補含む3人

6月22日に投開票が行われた東京都議会議員選挙(定数127)において、自民党は改選前の30議席から大幅に減らし、18議席という結果に終わった。これは都民ファーストの会の31議席に第1党の座を譲っただけでなく、過去最低だった2017年の23議席を下回る「惨敗」とも言える結果となった。

しかし、この結果に輪をかけて批判が集まる事態が発生した。自民党は、無所属で出馬し当選した宇田川聡史氏(60)、三宅正彦氏(53)、青木英太氏(35)の3名を追加で公認し、最終的な議席数を21としたのだ。

前回2021年の都議選では、宇田川氏と三宅氏は自民党からの公認候補として当選していた。しかし、宇田川氏は都議会自民党の政治資金パーティーを巡る問題で議長を辞任しており、三宅氏は政治資金収支報告書に332万円の不記載があったとされる。両名とも、いわゆる「自民党の裏金問題」に関連する人物として、今回の都議選では当初自民党の公認を得られずにいた。

東京都議選後、自民党が追加公認した宇田川聡史氏、三宅正彦氏、青木英太氏の3名の写真。追加公認報道に対するSNSでの強い批判的な反応を示す記事冒頭部分。東京都議選後、自民党が追加公認した宇田川聡史氏、三宅正彦氏、青木英太氏の3名の写真。追加公認報道に対するSNSでの強い批判的な反応を示す記事冒頭部分。

この「3人追加公認」のニュースが報じられると、SNS上では「やり口が汚い! もはや詐欺!」「自民を避けて消去法で入れた人がステルス自民だったらほんとに腹が立つし、詐欺だよ。民意を逆手に取ってて、最悪」といった怒りの声が多数投稿された。一時、「追加公認」「ステルス自民」といったキーワードがSNSでトレンド入りするほどの反発が起きた。

青木英太氏、裏金問題とは一線

追加公認された3名のうち、目黒区から出馬した青木英太氏だけは事情がやや異なる。青木氏は、宇田川氏や三宅氏のような「裏金議員」ではない。

青木氏は2019年の目黒区議選で無所属で初当選し、昨年の都議補選で当選した後は自民党の会派に所属していた。しかし、今回の都議選では無所属での出馬を選択していた。

目黒区内の有志が運営するWebメディア『めぐろ区民ジャーナル』が都議選前に行ったインタビューで、青木氏は都議になる以前から自民党入りを希望していたことを明らかにした上で、無所属での出馬の「裏側」について語っている。

《自民党の公認候補者を選ぶプロセスとして、選考会というのがあるのですが、目黒では昨年の10月あたりに選考会があって候補者の公募に私も手を挙げたんです。その後選考作業ののち、結果として目黒支部としては公認候補者を立てないという判断をされたと、私は理解しています》

自民党から一切の選挙協力や推薦を受けずに当選を果たした青木氏だが、同インタビューでは自民党会派の仲間の「裏金問題」についても言及し、糾弾している。

《本当に許されるべきものではないと思います。みなさん慣例だったという話をされていますが、それが本当に慣例なのであれば、我々の代でしっかりとやめなければいけないことだと思いますし、政治資金パーティーのあり方だったり、資金管理の方法とかは、都民の方々に正々堂と言えるよう、きちんとプロセスを踏んでやらなきゃいけないということは、会派の一員として感じています。これは深く反省しなければならないことだと思いますね》

結果的に、定数3の目黒区において18,924票を獲得し3位で当選した青木氏。しかし、自民党に逆風が吹く現状で公認候補として出馬していれば、4位候補との票差がわずか500票ほど(4位は18,401票)だったことから、逆転されていた可能性も否定できない。本人にとっては、無所属での当選、そしてその後の追加公認という結果が「結果オーライ」だったと言えるかもしれない。

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