【合計342歳】79歳、83歳、89歳、91歳の四姉妹で守る《まるで実家のような》創業70年の喫茶店──“思いつき”で始めた店がみんなの居場所になるまで


【画像を見る】四姉妹が営む港町の喫茶店。名物の「霜降りトースト」(300円)やフルーツジュース(800円)はこんな感じ 

■おばあちゃんの家みたいな喫茶店

 JR神戸駅から幹線道路沿いを南に進むと、住宅街と町工場が混在する西出町にたどり着く。

 目と鼻の先には兵庫港があり、小さな造船所が岸壁に沿って立ち並んでいる。

 潮の香りがかすかに鼻をくすぐるこの閑静な一角に、「喫茶思いつき」は控えめにたたずんでいた。今年、2025年に創業70年を迎える喫茶店だ。

 ガラス扉のハンドルを引くと、小さな店内に「いらっしゃいませ〜」の声が響いた。

 思いつきは、79歳、83歳、89歳、91歳(平均年齢85.5歳)の四姉妹が切り盛りする昭和遺産のような喫茶店だ。

 皆からあきちゃんと呼ばれる店長の朗子さん(89歳)を中心に、満知子さん(91歳)、紀久恵さん(83歳)、晴江さん(79歳)が交代で手伝っている。取材日にお会いできたのは店長の朗子さんと紀久恵さんの二人。筆者は定期的に思いつきに“帰省”しているので、顔を覚えてもらっている。

 壁には似顔絵や写真が並び、地元企業のノベルティカレンダーや緑の鉢植えがそっと空間を彩っている。飾らない実家そのままの雰囲気に、訪れる客は皆ほっと安堵感を覚えるのだろう。



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