石丸伸二氏、参院選公示後初の街頭演説 望月衣塑子記者との囲み取材詳報

政治団体「再生の道」の石丸伸二代表は3日、東京都千代田区の大手町サンケイビル前で、参院選(20日投開票)公示後初めてとなる街頭演説を行った。演説終了後、石丸氏は集まった記者団の囲み取材に応じたが、そこに東京新聞の望月衣塑子記者が姿を見せた。炎暑の中、望月氏は参政党の政策にも触れつつ、安定的な皇位継承など、様々な質問を重ねた。これに対し石丸氏は、「それは参政党に聞いて」「これまでもそう言っていますよ」などと答える場面が見られた。

都議選と参院選

望月記者は他の記者に先駆けて石丸氏に質問を投げかけた。最初の質問は、参院選に向けた意気込みについてだった。石丸氏は「何回もお伝えしている通り、東京都議選と参院選は全く別物。あれはあれで全力を尽くした。これはこれで全力を尽くす。ただただその方針です」と明快に答えた。

望月記者はさらに、「都議選で40万票を集めたことを元に、今回参院選でさらに頑張りたいという意識はあるか」と重ねて尋ねた。石丸氏は「めちゃくちゃ誘導されますね」と笑いながらも、「元にという意識は全くない。参院選では訴えることが全然違う。当然、選ぶ有権者の意識も違うはずだ」と述べ、都議選と参院選の違いを改めて強調した。

政策に関する質疑

望月記者は、参政党や国民民主党の政策を引き合いに出しながら、外国人政策の見直しなどについて質問を続けた。石丸氏はまず、「『日本人ファースト』というのは当たり前のことで、それを掲げていない政党は存在しないと思う」と前置きした上で、「それをことさら掲げる意図は何か」と疑問を呈した。

石丸氏は、欧州各国で右派勢力が伸長し、中道勢力が弱体化している現状に触れ、「国体として不安定化している」と指摘。鋭く響くフレーズや政策を「ほどほどにしないといけないのではないか」との考えを示し、その思いもあって教育を掲げた、との考えを述べた。

参院選公示後、記者団の囲み取材で質問を受ける石丸伸二氏(左)と望月衣塑子記者(右)参院選公示後、記者団の囲み取材で質問を受ける石丸伸二氏(左)と望月衣塑子記者(右)

望月記者はさらに、参政党の神谷宗幣代表の発言を引用しつつ、「(神谷氏は)違法と違法でない外国人をクリアに分け、違法でない人には(対処)すべきという言い方をした。日本は外国人労働力なくして経済が回らない」と問いただした。石丸氏は「神谷氏がおっしゃること以外に正解はない。違法なことはダメって、これに反対する人はいない」と応じた。

望月記者は続けて、安定的な皇位継承のあり方を巡る参政党の考えを独自に解釈しながら、質問を重ねようとした。石丸氏は「それは参政党に聞いてもらってもいいですか。われわれに聞いても、これという回答は出てこない」と苦笑いを浮かべながら回答を避けた。望月記者がさらに「少子化に対し、いわゆる一夫多妻みたいなことは、今の時代にはあり得ないという、石丸氏自身は…」と尋ね始めたところで、石丸氏が「これまでもそう言っていますよ」とさえぎり、質疑応答は終了となった。

結論

石丸伸二氏の参院選公示後初の囲み取材では、東京新聞の望月衣塑子記者からの多岐にわたる質問、特に他の政党の政策や過去の発言を引き合いに出した問いかけが目立った。石丸氏は都議選との違いを強調しつつ、政策に関する質問には自身の考えを述べたが、他の政党に関する具体的な見解を問われた場面では、直接の回答を避ける姿勢を見せた。今回の囲み取材は、石丸氏の今後の選挙戦におけるメディアとの向き合い方の一端を示す形となった。

参考文献