山尾志桜里氏、無所属での参院選出馬を表明 公認取り消しの背景と世間の反応

2025年夏の参議院選挙に向け、国民民主党からの公認を取り消された山尾志桜里元衆議院議員が、7月1日に無所属での出馬を正式に表明しました。山尾氏は当初、国民民主党公認候補として参院選への出馬が公表されていましたが、6月11日に公認内定が撤回されていました。

国民民主党による公認取り消し決定に至るまでには、直前の記者会見でのやり取りが大きく影響しています。

公認取り消しの経緯

山尾元議員は5月に国民民主党の公認が発表された後、6月10日に出馬会見を開きました。この会見で、過去に報じられた不倫疑惑に関する質問が飛んだ際、山尾氏は「この場で新しく言葉をつむぐことはご容赦いただきたい」「その件はご勘弁いただきたい」と回答を避けました。この対応に対し、批判が噴出しました。

不倫疑惑とは、約8年前に既婚の弁護士男性との交際が報じられた件を指します。さらに、2021年には週刊文春が、山尾氏が議員パスを不正利用して男性と密会していた疑いや、男性の元妻が自死に至っていたことなどを報じ、大きな波紋を呼んでいました。

世間からの強い反発を受け、会見翌日の6月11日、国民民主党の榛葉賀津也幹事長は山尾氏の公認取り消しを公表しました。榛葉幹事長は、取り消しの理由として「全国の地方自治体議員から、山尾さんの公認は見送ってほしいという声がありました」と説明しました。

この公認取り消しを受け、山尾氏は自身のX(旧ツイッター)を更新し、《大変残念です》などと心境を表明しました。その文書でも、不倫疑惑については《会見では、お答えが難しい点もありました》《自身の新たな言葉が誰かを傷つける可能性がある以上口にしないと決めておりました》と述べ、改めて明言を避ける姿勢を示しました。

無所属出馬への決意と会見

このような状況下での無所属での出馬表明には、当然ながら再び注目が集まりました。今回の記者会見では、再び選挙への出馬を決意した理由について、「ひと言で言えば、やはり中道政治を諦められない」と述べました。また、「既存の政党が避けてきたテーマを、無所属だからこそ正面から掲げていく」と、政治活動への熱い信念を語りました。

山尾志桜里氏、無所属での参院選出馬を表明した際の写真山尾志桜里氏、無所属での参院選出馬を表明した際の写真

ちなみに、今回の会見では冒頭に司会者から「私生活については、すでに10日の会見で時間制限なくお話しさせていただいたので、本日は会見から後の経緯を新しく話します」という異例の「予防線」が張られていました。これは、前回の会見で私生活に関する質問への回答を拒否したことへの批判を踏まえたものとみられます。

世間の厳しい反応

政治への意欲を示したものの、過去の疑惑に対する「ダンマリ」を貫く山尾元衆議院議員に対し、世間の反応は依然として厳しいものがあります。インターネット上などでは、

  • 「この状況で出馬しようと思えるのがすごい」
  • 「自分のことや世論を全く客観視できない人なんだな」
  • 「説明責任を果たせない人に政治家が務まるわけがない」

といった声が多くあがっており、政治家としての資質を問う意見が目立ちます。過去の報道に対する説明責任を求める声は根強く、今回の無所属での出馬表明後も、その姿勢への批判はやむ気配がありません。

果たして、山尾志桜里氏は厳しい世論の中で当選を果たすことができるのでしょうか。2025年夏の参院選の行方が注目されます。

参考文献