自由に出歩くことが限られる皇族方にとって、御所内での動物との触れ合いは大切な癒やしの時間です。長年、天皇ご一家とともに過ごし、愛されてきた愛犬「由莉」(ゆり)がこの度、老衰のため亡くなったことが明らかになりました。愛子さまにとっては、家族同然だった存在との突然の別れとなりました。
由莉の死去と愛子さまの心中
宮内庁は6月26日、天皇ご一家が飼われていた愛犬「由莉」が老衰のため、16歳4ヶ月で亡くなったことを明らかにしました。由莉は23日の夕方に息を引き取ったといいます。
日本赤十字社(日赤)での勤務を終え帰宅された愛子さまは、両陛下と共に由莉の最期を看取られたといいます。関係者によると、その日の愛子さまはいつも通り出社されたものの、内心では由莉のことが気がかりで、足早に帰宅されたそうです。
悲しみの中で果たされた務め
愛子さまにとって、愛犬との別れはこれが初めてではありません。小学生の頃、先代の愛犬「まり」を亡くされた際は、深い悲しみから翌日学校に遅刻されるほど気落ちされていたといいます。
しかし、時を経て今回の由莉との別れに際し、愛子さまは悲しみを抱えつつもご自身の務めを果たされました。皇室記者は「どれだけつらくても、仕事を休んだり公務に穴をあけたりはできないとお考えになったのだろう」と推測します。翌24日も日赤にご出勤され、午後には皇居・宮殿での茶会に予定通り臨まれました。
涙は見せずとも、記者からはいつもの快活さが影を潜めているように見えたとの声もありました。16年以上にわたり苦楽を共にした由莉は、愛子さまにとって掛け替えのない「妹」のような存在だったため、その心中が察せられます。
2021年撮影、愛子さまが愛犬由莉の頭を撫でながら笑顔を見せる様子(宮内庁提供)
由莉が家族になった経緯
由莉は雑種のメスで、天皇ご一家に迎え入れられたのは2009年春のことでした。前出の皇室記者によると、その年の2月に先代の愛犬まりが亡くなり、愛子さまが深く憔悴されていたため、悲しみを癒やすべく、まりに似た犬を探されていた両陛下が、かかりつけの動物病院から保護された子犬の引き取りを打診されたのがきっかけでした。
当時生後2ヶ月だった子犬に、愛子さまご自身が「ゆり」と名付け、後に漢字で「由莉」と充てられたということです。由莉はそれから16年以上にわたり、天皇ご一家にとってなくてはならない大切な家族の一員として過ごしました。
結び
由莉は天皇ご一家と16年以上にわたり深い絆を育んできました。愛子さまがその死を深く悼まれつつも、社会人、そして皇族としての務めを立派に果たされたことは、多くの人々に感銘を与えています。由莉は天皇ご一家の温かい思い出の中で安らかに眠ることでしょう。
参照元
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7585fef32055986fa85c6fc53588b4feca20de6