参院選富山選挙区:候補者に関するSNSの誤情報を徹底検証

20日投開票の参議院選挙を巡り、特に富山選挙区(改選定数1)では、候補者や政党に関する根拠不明な情報や、事実と異なる情報がSNSや動画投稿サイトで拡散しています。日本ニュース24時間では、県内で選挙活動を行う主要候補と、その所属政党に関するインターネット上の情報を検証しました。

参院選富山選挙区の選挙ポスターと街頭演説の様子参院選富山選挙区の選挙ポスターと街頭演説の様子

参政党・田保智世氏に関する誤情報:「小麦は毒」?

新人である田保智世氏(59)を擁立している参政党については、「『小麦は食べるな』『小麦は毒』と主張している」といった書き込みがネット上で見られます。田保氏は、読売新聞の取材に対し、「こうした言説がネット上にある」と困惑を示しました。これは、かつて党に所属し、現在は離党した元共同代表が同様の主張をしていたことに起因するものと考えられます。

参政党の公式な公約では「食料自給率100%」を掲げており、政策集には「米の備蓄を優先し、小麦、大豆も順次備蓄を行う」と明記されています。

6月28日に富山市で報道陣の取材に応じた参政党の神谷代表は、「元共同代表の離党後、党としてそのような話はしていない」と述べ、小麦に関する否定的な見解が党の公式見解ではないことを説明しました。さらに、「エビデンスを見ながら体質に合うものを食べるべきだ。『小麦がマイナス』が100%うそではないと思うが、言い過ぎな表現だった」と、元共同代表の発言について釈明しました。

国民民主党・庭田幸恵氏に関する誤情報:立憲民主党の「推薦」?

国民民主党の新人、庭田幸恵氏(57)を巡っては、立憲民主党県連との協力体制に関しても事実と異なる情報が流れています。

国民民主党県連、立憲民主党県連、連合富山の3者は今年6月、参院選に向けた協力に合意しました。しかし、庭田氏への関わり方は、それぞれの団体によって異なります。国民民主党は庭田氏を「公認」候補とし、連合富山は「推薦」、そして立憲民主党県連は「支援」という立場を取っています。

SNS上では、庭田氏を「立憲民主党の推薦を受けている候補だ」として批判する投稿が見られますが、これは事実とは異なります。

立憲民主党県連によると、国政選挙における候補者の公認や推薦は、基本的に党本部が決定します。今回の富山選挙区においては、立憲民主党として庭田氏に推薦を出しておらず、県連レベルでの「支援」にとどまっている状況です。

立憲民主党県連の岡部享幹事長は、「無所属候補に推薦を出す可能性はあるが、他党の公認候補には基本的に出さない方針だ」と説明し、庭田氏が立憲民主党から推薦を受けているという情報を否定しました。

自民党・堂故茂氏に関する誤情報:消費税「増税派」?

ユーチューブ上では、自民党現職の堂故茂氏(72)を「消費税増税派だ」と位置づける動画が投稿されています。

しかし、読売新聞が参院選の全候補者に対して実施したアンケート調査において、堂故氏は消費税率に関する質問に対し「現状を維持するべきだ」と回答しています。また、7月2日の読売新聞の取材に対しても、堂故氏は自身の立場を改めて説明しました。「今は自発的な賃上げをどう促していくかが最も重要だ。物価高騰によって国民が感じている痛みを和らげることに全力を尽くすべきだ」と述べました。そして、「増税などと言っている状況ではない」と強く語り、「増税派」であるとのネット上の情報を明確に否定しました。

参院選富山選挙区の候補者、田保氏、庭田氏、堂故氏参院選富山選挙区の候補者、田保氏、庭田氏、堂故氏

参議院選挙を控え、インターネット上には様々な情報が溢れています。候補者や政党に関する情報に接する際は、その根拠を確認し、事実に基づいた正確な情報であるかを見極めることが重要です。