2025年7月20日投票の参議院選挙では、社民党が政党要件(得票率2%以上または国会議員5名以上)維持の瀬戸際に立たされています。これは社民党だけでなく、共産党や公明党といった歴史ある政党も近年支持層を減らしており、一方でれいわ新選組などの新興勢力が台頭するという「政党の交代劇」が進行している政治状況を象徴しています。戦後80年を迎えようとする中、日米関係再構築などの根本的な議論は深まらず、物価高を巡る給付や減税といった論戦に終始し、選挙戦は後半へと入っています。
社民党が直面する「政党要件」の壁
かつて日本社会党として結党され、村山富市氏を首相とした連立政権にも参画した社民党ですが、政党維持の危機は2019年以降続き、前回2022年の参院選では福島みずほ党首の議席で辛うじて要件を満たしました。今回の参院選でも、タレントのラサール石井候補が7月4日に東京・吉祥寺駅前で街頭演説を行い、「日本で一番民主主義を愛している。社民党こそ愛国だ」「社民党を無くしたら日本は滅ぶ」と強い言葉で訴えました。比例候補の大椿裕子氏も共に立ちましたが、聴衆は報道関係者を除くと20人足らずでした。演説を聞いていた支持者からは「がんばってほしい。筋金入りの脱原発だから」との声は聞かれましたが、報道各社の議席予想も「0~1議席」と厳しい状況です。
参院選で政党要件維持を目指す社民党候補、ラサール石井氏の街頭演説
共産党・公明党の支持減と新興勢力の台頭
得票減少は共産党も顕著です。24年10月の衆議院議員選挙では前回21年より20%近く落ち込み約336万票にとどまりました。対照的に、元俳優の山本太郎氏が19年4月に設立し短期間で急成長したれいわ新選組は、わずか3ヶ月後の参院選で得票率2%を超えて国政政党となり、今回の衆院選では約7割増となる380万票台に乗せ、共産党を逆転しました。1922年設立で103年の歴史を持つ共産党が、設立6年目の新党に抜かれた形です。さらに、先月の東京都議会議員選挙でも共産党は5議席減らして14議席となり、都議会野党第一党の座を失い、得票数も8年前から約28万票減の約49万票となりました。公明党もまた、同様に得票数を減らす傾向にあります。
今回の参院選は、長年日本の政治に影響力を持ってきた政党が歴史的な岐路に立つ選挙と言えます。社民党は政党要件維持、共産党や公明党は支持層の維持という課題に直面する一方、れいわ新選組のような新しい力が急速に議席を伸ばしています。有権者の選択が、今後の日本の政党勢力図を大きく塗り替える可能性があり、この「政党の交代劇」の行方が注目されます。
参照元:
https://news.yahoo.co.jp/articles/3fcb387ec129db566f22363ec407343eb826e058