韓国 李在明大統領、「K-防衛産業」育成を強力推進

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は8日、ソウル市内で開催された第1回「防衛産業の日」非公開討論会に出席し、「『武器商売』の声を聞かない範囲内で最善を尽くしたい」と述べ、「K-防衛産業」のセールスを自ら先導する考えを改めて強調した。これは、韓国の安全保障強化と未来産業としての防衛産業の位置付けを明確にするものだ。

韓国・ソウルで開催された防衛産業の日討論会で発言する李在明(イ・ジェミョン)大統領。防衛産業の輸出促進への強い意欲を示す。韓国・ソウルで開催された防衛産業の日討論会で発言する李在明(イ・ジェミョン)大統領。防衛産業の輸出促進への強い意欲を示す。

首脳外交の場でも「K-防衛産業」を強力アピール

李大統領は、防衛産業の優秀性を世界に知らせるため、首脳外交の場を積極的に活用している。先月カナダで開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)出席についても、「我が国の防衛産業の優秀性を知らせ、潜水艦購入を要請することが大きな理由だった」と説明。実際にG7期間中、潜水艦導入を検討しているカナダのマーク・カーニー首相と会談し、防衛産業協力について議論した。

また、李大統領は先月オランダで開催予定だった北大西洋条約機構(NATO)首脳会議についても、「我が国の防衛産業や武器を広報することが最大の目的だった」と述べた。結局、魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長が代理出席したが、魏室長はNATOの防衛費増額トレンドに対し、「このような需要に対応できる能力を持つ国は多くない。韓国はその一つだ」とメッセージを伝えた。

防衛産業の日討論会で政府の支援を約束

この日の討論会には、HD現代重工業やハンファエアロスペースなど防衛産業企業の代表約100人を含む計140人が出席した。これは李大統領の防衛産業への高い関心を反映したもので、当初予定されていた記念式典から、現場の声を聞く討論会形式に変更され、李大統領の出席時間が拡大されたという。

李大統領は討論会の冒頭発言で、「防衛産業が大韓民国の安全保障を強化するだけでなく、大韓民国の未来の産業の一つとして定着することを願う」とし、「政府もこれまでと同様に、投資と支援に努力する」と約束した。これは、南北関係改善への努力と並行して、安全保障と防衛産業を重視する政権の政策バランスを示すメッセージとも受け取れる。防衛産業の日自体は前政権で制定されたものだが、李大統領は「むしろよかった。その日に防衛産業支援の考えを強調する」と述べ、積極的に活用する姿勢を示した。

業界からの提言と今後の政府方針

討論会では、業界から人工知能(AI)活用に必要な国防データの活用難しさや、国防データ統合管理体系の整備、持続可能な国内物量確保の重要性、防衛事業庁の「防衛産業庁」への認識転換などの提言があった。

これに対し、李大統領は「防衛産業、そして武器輸出は企業間の競争ではなく国家間の競争であり、『ワンチームコリア』で勝負しなければならない」と強調した。さらに討論会に先立つ国務会議では、防衛産業4大強国目標達成のため、育成のコントロールタワー新設や「防衛産業輸出振興戦略会議」の定例化検討を指示しており、政府主導での防衛産業強化を推進していく考えを明確にした。

まとめ

李在明大統領は、防衛産業を韓国の安全保障と未来経済成長の柱と位置付け、自ら先頭に立って国内外で強力な支援とプロモーションを展開している。首脳外交の場での積極的なセールス、業界との対話を通じた課題把握、そして政府内の推進体制強化の指示など、多角的なアプローチで「K-防衛産業」の競争力向上を目指す姿勢が示された。