ビットコイン急騰、市場の「リスクオン」ムード背景に史上最高値再び

ビットコインが11万3000ドルを突破し、2日連続で史上最高値を更新しました。今週、投資家がドナルド・トランプ大統領による最新の関税の脅威を乗り越え、市場にリスク選好のセンチメントが広がったことが背景にあります。今年に入ってから、ビットコインの価格は約22%上昇しています。

最新の価格動向

世界最大の暗号資産であるビットコインの価格は、アメリカ東部時間7月10日午後2時頃、11万3822ドルという過去最高値を記録しました。これにより、ビットコインは2日間で2度、史上最高値を更新したことになります。7月9日には一時的に11万2000ドルを突破していましたが、その後の上昇幅は縮小していました。年初来の上昇率は約22%に達しています。

ビットコインの史上最高値更新を伝えるニュースや価格チャートを確認する人物ビットコインの史上最高値更新を伝えるニュースや価格チャートを確認する人物

市場全体の動向と背景

今回のビットコインの急騰は、トレーダーたちがトランプ大統領が7月7日に発表した新たな関税措置に対する懸念から回復し、市場全体のセンチメントが広範に変化したことと時を同じくして起こっています。7月10日の主要株価指数も、決算シーズンが間近に迫り、第2四半期の好調な業績予想から強気な見方が強まっていることから、過去最高値近くまで上昇しました。このような市場全体の「リスクオン」ムードが、暗号資産市場にも波及したと考えられます。

専門家の分析と今後の見通し

トレード・ネーション(Trade Nation)のシニアマーケットアナリスト、デビッド・モリソン氏は、ビットコインは「株式市場からのポジティブなリスクオンムード」を反映して上昇した可能性が高いと指摘しました。同氏は、「これは、上昇の勢いが強まり、ビットコインがさらに上昇する可能性があることを示唆していますが、これまでのところ、上昇は目覚ましいというよりも、緩やかで着実なもの」と述べています。

ハッシュデックス・アセット・マネジメント(Hashdex Asset Management)のグローバルマーケットインサイト責任者、ジェリー・オシェア氏は、今回のビットコインの最新の過去最高値は、さらなる上昇を予兆しているとの見解を示しています。

結論

結論として、ビットコインは世界的な市場センチメントの回復に後押しされ、短期間に連続して史上最高値を更新しました。トランプ大統領の関税発言後の市場の落ち着きや、米国株式市場の堅調さが、投資家心理に「リスクオン」をもたらし、暗号資産市場にも影響を与えた形です。専門家も、この勢いが今後も続く可能性を示唆しており、今後の動向が注目されます。

参考資料