石破首相「なめられてたまるか」発言に専門家が警鐘 トランプ関税問題で

テレビ番組で、米国のドナルド・トランプ大統領が石破茂首相に日本製品への25%関税賦課を通告した問題が特集された。この中で注目されたのが、石破首相の街頭演説での「国益をかけた戦いだ。なめられてたまるか」という発言だ。これについて、京大大学院教授の藤井聡氏が、その外交上の危険性について厳しい見解を示した。

京大大学院教授の藤井聡氏の肖像京大大学院教授の藤井聡氏の肖像

石破首相発言への専門家の警鐘

京都大学大学院教授の藤井聡氏は、石破首相の「なめられてたまるか」という街頭演説での発言を聞いて「驚愕したんです」と明かし、「歴史上最大の失言になり得る言葉です」と厳しく指摘した。

このフレーズについて、日本語では「軽いじゃれあい」と聞こえる場合もあるが、理屈の上では「侮辱する」を意味する「なめる」と、「耐えられない、許さない」を意味する「たまるか」の組み合わせであり、これを激しく直訳すれば「トランプよ、侮辱していることを俺は絶対に許さない」という強いメッセージになりうると解説した。

さらに、石破首相が使った「戦い」という言葉にも言及。トランプ大統領が求めるのは、相手の立場を理解しながら進める「ディール」(交渉)であるのに対し、「戦い」は相手を「潰す行為」だと分析。「これ字義通りに訳されたらアウトですわ。それやったら35%とか40%とかやったるわと言われてもしょうがない」と、不用意な言葉がもたらす外交リスクに警鐘を鳴らした。

外交当局の動揺と翻訳の試み

藤井氏はまた、かつて事務方トップとして第一次トランプ政権と交渉した経験を持つ渋谷和久氏が解説役として出演していたことに触れ、彼から「外務省、めちゃくちゃ焦ったらしいです」と聞いたことに驚いたと明かす。その理由として、密室ではなく国民の目の前での発言が、訳し方次第で相手国への「宣戦布告」と受け取られかねない点を挙げた。

外務省は事態の沈静化を図るため、翻訳の調整に奔走したという。その結果として、「ロイターの記事が出たんですけど、めちゃくちゃライトな英語になっている。ものすごいぬるく訳してくれたんで、トランプは気付かない可能性はある」と述べ、外交当局が懸命にダメージコントロールに動いた様子を伝えた。

結論

石破首相の「なめられてたまるか」発言は、トランプ大統領との交渉において外交上のリスクを伴う可能性が専門家から指摘された。その言葉遣いが、意図しない強いメッセージとして伝わる危険性が懸念されている。外務省も迅速な翻訳調整により、その影響を最小限に抑えようと動いた模様だ。

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