参政党、TBS「報道特集」に厳重抗議 選挙報道の「偏向」主張、BPOへ申入書提出

参政党は13日、TBS系ニュース番組「報道特集」が12日に放送した参議院選挙に関する内容が「選挙報道として著しく公平性・中立性を欠く」として、TBSに対し厳重な抗議と訂正等を求める申入書を提出したことを発表した。党はすでにBPO(放送倫理・番組向上機構)に対しても意見を提出済みであるとしている。

参政党が主張する「不当な偏向報道」の内容

参政党は公式ウェブサイトに掲載した申入書で、報道特集の放送が「不当な偏向報道を受けた」と主張している。具体的には、番組が「参院選で『外国人政策』も争点に急浮上」と伝えた内容において、党の外国人政策を不正確に伝え、誤導した上で「排外的」「差別的」と断じる論調だった点、登場者が全て党に批判的で擁護・理解を示す視点が皆無だった点を問題視している。

「報道特集」が取り上げた参政党の外国人政策

12日の「報道特集」は、参院選の争点として外国人政策を取り上げ、支持を伸ばす参政党に焦点を当てた。神谷宗幣代表の「まず自国民の生活をしっかりと守っていこう」という演説映像と共に、ナレーションは「参政党は外国人が優遇されているなどと訴え、犯罪や生活保護について強硬な主張を繰り返す」党の姿勢を伝えた。その後、識者等の見解が続いた。

TBS放送センターの外観、ニュース番組「報道特集」の報道内容に参政党が抗議TBS放送センターの外観、ニュース番組「報道特集」の報道内容に参政党が抗議

番組の画面右上には、「根拠のない“外国人優遇”」「広がる“排外主義”への不安」「“選挙ヘイト”を許さない」といったテロップが表示された。

特集後、山本恵里伽キャスターは、これまでは注目されなかった強硬な主張が支持を集め、社会が受け入れてこなかった排外的・差別的な言葉がSNSで拡散する「現実に正直すごく戸惑いを感じています」と心境を語った。「実際、外国籍の人と全く関わらずに生活している人ってほとんどいないと思う」「学校の友達だったり職場の同僚だったり」と言及し、「自分の1票がひょっとしたら身近な人たちの生活を脅かすものになるかもしれない」として、これまで以上に「想像力をもって投票しなければいけない」と訴えた。

また、日下部正樹キャスターは、「想像力を欠くと差別は瞬く間に社会に広がってしまいます。古今東西を問わず、閉塞感に満ちた社会はその原因を外に求めがちです」と指摘。そして、「本当なら差別を止めるはずの政治家が誤った情報をもとに、外国人が優遇されていると喧伝しています。外国人がいなくなれば本当に問題が解決するんでしょうか。差別が票になるような社会にしてはならないと思います」と締めくくった。

まとめ:参政党の抗議と今後の行方

今回の参政党によるTBS「報道特集」への抗議は、選挙報道における政党への公平性・中立性を問うものと言える。党側は番組内容が自党の政策を誤って伝え、一方的な批判に終始したと主張し、放送倫理機関であるBPOへの申入も行った。この問題が今後、どのような形で議論されるか注目される。

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