TOKIO解散対応で自分の口から「自分の言葉」重ねた松岡昌宏…芸能界の第一線で30年以上活躍してきた男のすごみを感じた


 心の中で喝采を送った。6月27日、元TOKIOの松岡昌宏(48)がグループ解散、コンプラ違反が明らかになった国分太一(50)への思いなどを公の場で初めて語った。現場で直接聞いた「肉声」。芸能界の第一線で30年以上活躍してきた男のすごみを感じた。

◆「突然の…」国分太一に関するお知らせ【写真】

 正直、最初は半信半疑だった。悪いニュースである。記者会見が設定されている訳ではなかった。果たして話すのか。芸能は担当外だが、“特命”として主演舞台が行われる愛知・東海市芸術劇場の前でリハーサル終わりの当人を待った。厳しい世界を生き抜いてきたタレントを甘く見ていた。逃げるどころか、自ら待ち構えていた報道陣の前に姿を現した。

 芸術劇場の駐車場入り口の端。華やかな芸能界とは似つかわしくない、人目にさらされる場所で松岡は報道陣と、カメラの放列とも向き合い、「お騒がせしています。申し訳ないです」と切り出した。人生の大半、31年間を過ごしたTOKIOの解散、メンバーの不祥事について口を開くのは本意ではなかったはずだ。それでも意を決したように背筋を伸ばし、丁寧に歯切れ良く言葉を紡いだ。

 努めて声を張っている様子はなかったが、少なくとも3メートル以上は離れていた私の耳にも一言一句はっきり聞こえた。もちろんマイクはない。この仕事をして約20年になるが、こういう人は意外と少ない。役者としての訓練のたまものでもあり、誠実さがそうさせたようにも感じた。申し訳なさを宿しつつも堂々と。そのあんばいも絶妙だった。

 「しっかり自分の口からお話ししようと思いました」。まさに自分の口から「自分の言葉」を重ねた。飾らない本心をさらけ出していると感じ、引き込まれた。質疑応答はさながら”松岡劇場”だった。ネガティブな状況での神対応で逆に株を上げる。記者にとっても記憶に残る取材となった。

 芸術劇場の外で「主役」が出てくるの待ち続けること5時間以上。「珠玉の20分間」を味わうのに正当な対価だった。 (唐沢裕亮)

中日スポーツ



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