ニューヨークで記録的豪雨、地下鉄浸水・航空便千便欠航 死者も

現地時間14日夜、米国ニューヨーク地域を襲った記録的な豪雨により、地下鉄が浸水し、航空機約1000便が欠航するなど甚大な被害が発生し、少なくとも2人が死亡、1人が負傷しました。豪雨翌日の15日午前も、ニューヨーク市やニュージャージー州の一部道路が閉鎖され、一部航空便の欠航が続くなど、影響が長期化しています。

ニューヨークの記録的豪雨で浸水したマンハッタン28丁目地下鉄駅構内、雨水を避ける乗客たちニューヨークの記録的豪雨で浸水したマンハッタン28丁目地下鉄駅構内、雨水を避ける乗客たち

ニュージャージー州で死者発生:車両が急流に転落

米ABCニュースによると、豪雨前夜にニュージャージー州プレインフィールド市で発生した洪水により、2人が命を落としました。彼らは、増水した急流に車両ごと流され、用水路に転落したと報じられています。

ニューヨーク市、記録的な降水量を観測

ニューヨーク・タイムズ(NYT)の報道によれば、ニューヨーク市では前日午後6時51分から7時51分までの1時間に53ミリの雨量を観測しました。これは、2021年9月のハリケーン「アイダ」の際の1時間当たり76ミリに次ぐ、ニューヨーク市史上2番目に多い降水量です。また、セントラルパークでは67ミリの雨が降り、1908年7月14日の最多記録(38ミリ)を更新しました。
SNS上では、ニューヨーク市マンハッタン南部の地下鉄駅構内に雨水が激しく流れ込む様子や、下水口から水が噴き出す衝撃的な映像が多数共有され、市民生活への影響の大きさを物語っています。

交通機関への甚大な影響:地下鉄と航空便

浸水の影響で、14日夜にはニューヨーク市地下鉄の一部路線で運行が一時停止しました。NYTが市交通局を引用して報じたところによると、15日午前時点では洪水による全線運休中の路線はないものの、一部で遅延が発生しています。なお、ニューヨーク市地下鉄では2023年9月にも突然の豪雨により多数の駅が浸水し、半分近くの路線が一時運休する事態が発生していました。
航空便にも大きな影響が出ています。航空便追跡サイト「FlightAware」によると、前日1日間でジョン・F・ケネディ空港、ラガーディア空港、ニューアーク空港といったニューヨーク市近郊の主要国際空港を発着する航空便が、合計約1000便キャンセルされ、約1100便が遅延しました。

米国各地で続く豪雨災害と広がる警戒

ニュージャージー州は、前日に発令した非常事態宣言を継続しています。米国気象庁は、ワシントンD.C.からノースカロライナ州にかけて、引き続き洪水が発生する可能性があると警告を発しました。
また、今夏は米国各地で豪雨災害が頻発しており、今月4日にはテキサス州中部内陸部のグアダルーペ川流域で発生した集中豪雨と洪水により、129人が死亡、160人以上が行方不明となる大惨事が発生するなど、異常気象による被害が続いています。

今回のニューヨークの記録的豪雨は、近年米国を頻繁に襲う気候変動に起因すると思われる異常気象の一端を示しており、今後の警戒が引き続き求められます。