「社会崩壊」感で既存政党離れ?年齢別データが示す自民党支持率の世代間ギャップ

日本の政治において、既存政党への国民の信頼が揺らぎ、新興政党への期待が高まる動きが見られます。特に、世代間の政党支持率には顕著な違いがあり、統計データ分析家の本川裕氏が指摘するように、「社会崩壊」感がこの現象の背景にあると考えられています。

既存政党への信頼失墜と「社会崩壊」感の台頭

近年の日本政治では、自民党をはじめとする既存政党への信頼失墜が顕著です。これは裏金問題などの不祥事だけでなく、国民の間に「社会が壊れている」という機能不全の認識、すなわち“社会崩壊”感が急速に高まっていることに起因します。統計データ分析家の本川裕氏もこの点を指摘しており、旧来型政党では国民の期待に応えることが困難だという認識が広がりつつあります。

日本の各年代における政党支持率の傾向を示す図表。特に若年層の自民党離れと新興政党への関心の高まりを視覚化。日本の各年代における政党支持率の傾向を示す図表。特に若年層の自民党離れと新興政党への関心の高まりを視覚化。

年齢層で明確に分かれる政党支持率の傾向

政党支持率を年齢別に見ると、既存政党と新興政党の支持層が明確に分かれています。自民党の支持率は50代まで10%台、70代以上では35〜40%と年齢が上がるほど上昇する「年齢傾斜」が特徴です。「若者の保守回帰」は自民党には向かっていません。「特になし」と回答する無党派層は若年層ほど多く、既存政党への不信感が無党派層化や、参政党、国民民主、れいわ新選組などの新興政党への支持に繋がっています。実際の選挙では、無党派層の票の動向が結果を大きく左右するでしょう。

他の既存政党にも共通する世代間ギャップ

この年齢と支持率の相関は、自民党に限りません。公明党、共産党、社民党といった他の既存政党も同様に、年齢層が高いほど支持率が上昇します。これは、日本の有権者の間で、旧態依然とした政治体制への認識が世代間で大きく異なる現状を浮き彫りにしています。

日本の政党支持率に見られる年齢間の明確なギャップは、国民の間で高まる「社会崩壊」感と既存政党への不信感が、若年層を中心とした新しい政治意識の形成を促していることを示唆しています。この構造的変化は、今後の日本政治の動向を読み解く上で不可欠な視点となるでしょう。

参考文献