ずいぶん前のことだが、ベルーナドーム(当時は別の呼び方だったかもしれない)でナイター観戦をした帰り、上北台行きのバスに乗ったことがある。
【画像】マンモス団地の中には商店街、茂みの中にポツンと神社も…多摩モノレールの“ナゾの終着駅”「上北台」には何がある?
別にそれが帰宅への最短ルートだったわけではなく、気の迷いというか魔が差したというか、なんとなく興味が湧いて乗ってみたのである。
ところが、乗ってみてその選択を後悔した。まずバスそのものがかなり混んでいる。あげくに道路が渋滞していて、いつになっても上北台に着かないのだ。
ナイター終了後で外は真っ暗だから、多摩湖を横断しているであろう車窓が楽しめるはずもなく、上北台に着いたときには疲れ果てていた。上北台駅がどんな駅なのかをうかがう余裕もなく、立川方面に向かうモノレールに乗り込んだのである。
上北台駅にやってきたのはそれ以来、少なくとも10年以上は経っている。改めて、どんな町を抱える駅なのか、歩いてみることにしよう。
多摩モノレールの“ナゾの終着駅”「上北台」には何がある?
上北台駅は、多摩モノレールの終着駅だ。1998年の多摩モノレール開業と同時にこの駅も生まれた。
京王線や小田急線と接続する多摩センター駅からはじまって、高幡不動や立川といった町を北に抜けてきて、他の路線との接続のない上北台駅で終点を迎える。立川の市街地などを除けば、ほとんどの区間で東京西部の住宅地の中を走っている。
上北台駅もまた、そうした住宅地に囲まれた終着駅だ。モノレールはちょうど芋窪街道の上を南から高架で突き進んでくる。
上北台駅のすぐ北は芋窪街道と新青梅街道の交差点。角にはマクドナルドがあって、新青梅街道沿いにはいわゆるロードサイド系のチェーン飲食店の看板が並ぶ。
上北台駅高架下のロータリーは、ベルクやらコープやらといったスーパーに囲まれていた。郊外の駅というのは往々にして地域の生活拠点になるものだ。
上北台駅もそうした駅のひとつなのだろう。駅前と新青梅街道沿いを除けば、あとはすっかり住宅地である。