いよいよ終盤を迎えた参議院選挙は、国民民主党や参政党の躍進もあり、例年以上に激しい議席争いが繰り広げられています。各政党が華やかな演出や公約を掲げる中、自民党の石破茂氏の発言が有権者の間で疑問や批判の声を集めています。
参議院選挙期間中の自民党の石破茂氏
佐賀選挙区での「助けてください」発言とその反響
問題視された発言は、7月9日に注目の「1人区」である佐賀選挙区で飛び出しました。政治ジャーナリストは次のように語ります。「自民党現職の山下雄平氏の応援で佐賀入りした石破氏は、『この男こそ佐賀のため、日本のために、どうしても出していただきたい』と懇願するような口調で語った後、『あえて申し上げます。助けてください。山下のためではありません、日本のために』と訴えました。選挙応援の場では、候補者の実績や公約を伝えるのが本来のあり方。このような感情に訴える表現には違和感が残りますね」。
この発言に対し、SNS上では即座に批判的な反応が噴出しました。例えば、「あえて申し上げます、救いようがありません」「あえて申し上げます。助けたくありません」「情けない、一国のリーダーともあろう者が」「助けてほしいのは国民のほう」といった声が見られました。前出の政治ジャーナリストは、「1人区の勝敗は参院選全体の結果に影響するため、石破氏自ら現地入りしたのでしょうが、議席死守に意識が向きすぎて、本来あるべき応援から逸脱した印象を与えてしまった」と指摘します。日本経済新聞社の世論調査によれば、自民・公明両党は選挙序盤よりも議席を大きく減らす見込みとされており、過半数確保に必要な50議席を目指すには、党の要職にある者としての自覚ある言動が求められます。
過去の「公約は守られない」発言と名古屋演説の波紋
しかし、石破氏に対する懸念は今回に限ったものではありません。彼はこれまでにも物議を醸す発言を繰り返してきました。
例えば、昨年12月の国会予算委員会では、「掲げた政策が、当選したからといってその通りにやる、ということにはなりません」といった趣旨の発言があり、「有権者への裏切りではないか」と厳しく批判されました。さらに直近の7月12日、名古屋での演説では、「今さえよければいいとか、自分たちさえよければいいとか、そういう政治が行われたとき国は滅びる」と述べ、あたかも自分たち自民党が未来を見据えた政治を行っていると言わんばかりの発言をしました。
特に名古屋での演説には、強い反発が寄せられています。というのも、自民党に対しては「公約は守れない」「選挙目当ての現金給付」といった批判が根強く、自己中心的な政治そのものと捉える有権者が多いからです。SNS上では、「今さえよければ…自民がまさに証明している」「自己紹介ありがとう」「自覚あるのか、参ったな」「怖いですね、もはや。完全に客観視できていない」といった声が見られ、これらは単なる怒りを超えた「諦め」すら感じさせます。
まとめ
石破茂氏の近年の発言は、国民の政治に対する不信感、特に公約の実現性や政治家の姿勢に対する疑問を改めて浮き彫りにしています。選挙の最終盤において、政治家と有権者間の信頼関係は極めて重要です。国が「滅びてからでは遅い」とならないよう、今一度、国民の声に真摯に耳を傾け、その信頼を回復する姿勢が政治全体に求められています。
参考資料
- J-CAST ニュース (202X年7月17日). 「有権者の感情を逆なでする石破首相」. https://www.jprime.jp/articles/-/37597
- 日本経済新聞社 世論調査 (参照日: 202X年7月).