参院選で与党が過半数を割り込む大敗を喫し、石破茂首相(68)への責任追及の声が高まっています。8月中の退陣も取り沙汰される中、石破首相自身は続投の意向を示していますが、ベテラン議員や地方県連からは公然と退陣要求が噴出し、「石破おろし」の動きは加速の一途を辿っています。このような政治情勢の中、次なるリーダーシップが誰に委ねられるのか、国民の関心は高まるばかりです。
本誌はWEBアンケートツール「Freeasy」を通じ、全国の選挙権を持つ18歳以上の男女1000人を対象に、昨年の自民党総裁選に出馬した石破首相を除く8名の自民党議員の中から「次期首相に『なってほしい自民党議員』」と「なってほしくない自民党議員」に関するアンケート調査を実施しました。本稿では、国民が次期首相として最も期待する自民党議員のトップ3を、その支持理由とともに詳しく分析します。
退陣圧力が強まる石破茂首相と次期首相候補として注目される林芳正氏、小泉進次郎氏、高市早苗氏ら自民党議員
ポスト石破を巡る激動の政局
参院選での歴史的敗北を受け、自民党内では石破茂首相の責任を問う声が日増しに強まっています。連日のように報じられる8月中の退陣報道に対し、首相はあくまで続投の構えを見せていますが、党内の長老議員や地方組織からは公然と退陣を求める声が上がり、「石破おろし」はかつてない勢いで進行中です。衆参両院で与党が過半数を割る「ねじれ国会」の状況下で、政権運営の困難さは増すばかりであり、これからの政治のかじ取りを誰が担うのか、国民の視線は早くも「ポスト石破」へと向けられています。
次期首相に望む自民党議員ランキング:トップ3の顔ぶれと支持理由
不安定な政局の中、国民はどのようなリーダーを求めているのでしょうか。今回のアンケートで明らかになった、次期首相に「なってほしい」自民党議員のトップ3を紹介します。
第3位:林芳正官房長官 – 経験と国際感覚への期待
第3位にランクインしたのは、林芳正官房長官(64)です。これまでに防衛大臣、農林水産大臣、文部科学大臣、そして外務大臣など、主要な閣僚ポストを歴任し、その豊富な経験が高く評価されました。特に、衆参両院で与党が過半数を割った現状において、野党との連携強化が不可欠となる中、石破首相の側近として少数与党政権を運営してきた林氏の経験に期待する声が多数上がっています。
また、日中友好議員連盟の会長経験を持ち、「知中派」として知られる林氏の国際感覚にも注目が集まっています。外務大臣としての実績も相まって、激動する国際社会における日本の外交手腕を託したいという意見が見られました。
- 《外務大臣、官房長官経験もあるなど経験豊かで、精神的にも落ち着きがあり、異常な事態への対処が期待できる》
- 《現路線を踏襲できそうだから》
- 《他の候補はみな強い個性と偏った政治理念を持っているので、これからの国際社会ではバランスの取れた人がいいと思う》
第2位:小泉進次郎農林水産大臣 – 若さと実行力が高評価
第2位に選ばれたのは、小泉進次郎農林水産大臣(44)です。国民感情を逆なでしたとされる江藤拓前農水大臣(65)の「米買ったことない」発言の直後、今年5月21日に米価格高騰の真っただ中で就任しました。就任直後から迅速な対応を見せ、従来の入札方式から政府備蓄米を直接小売業者に売り渡す「随意契約」へと方針を転換。この対策により放出された備蓄米が市場に出回り始め、7月22日時点では全国のスーパーで販売される米の価格が約半年ぶりに5キロ3500円台に戻るなど、目に見える成果を上げました。
このようなスピード感と実行力は国民から高く評価されています。また、2019年には38歳で安倍内閣の閣僚に就任し、戦後最年少記録を更新するなど、その「若さ」も注目を集める理由です。高齢男性が大半を占める日本の政界において、小泉氏のフレッシュなイメージは古い価値観を変革するリーダーとして期待されています。
- 《できるだけ若い人になって今までの古い価値観を変えてほしい》
- 《若いが行動力があり難関を打破できそうな気がする》
- 《もうロートルは引退して若い人に任せばいい。中でも割とはっきりものを言う小泉さんがいいと思う》
- 《米騒動の時にすぐに動いたように、若くて実行力がある》
- 《農水大臣としての行動力は見事で人気もあるので自民党立て直しには必要な人物だと思うから》
第1位:高市早苗前経済安保担当大臣 – 初の女性首相と保守層の期待
小泉氏を僅差で抑え、栄えある第1位に輝いたのは高市早苗前経済安保担当大臣(64)です。高市氏は昨年9月の自民党総裁選において、1回目の投票で議員票、党員票ともに石破氏を上回り、首位に立つも、過半数に届かず決選投票で敗れました。総裁の座に最も近づいた人物の一人として、その実績と存在感は国民の間に強く印象付けられています。
総裁選の結果を重視する声に加え、憲政史上初の「女性首相」誕生への強い期待が支持の大きな要因となっています。また、今回の参院選敗北の一因として、自民党の伝統的な支持基盤である保守層が、参政党や国民民主党などの保守的価値観を掲げる野党へと流れたことが指摘されています。そのため、ジェンダー政策や安全保障政策において明確な保守色を打ち出す高市氏のリーダーシップが、自民党の立て直しと保守層の再結集に不可欠であると考える声も多く聞かれました。
- 《自民党の再生にはなってもらわないと難しいので 右派で何とかしてほしいので》
- 《場切れの良い話しぶりが好感、はじめての女性総理を見たい》
- 《去年の総裁選で石破総理と最後まで争い、自民党の重鎮たちの信頼も厚く、現在窮地に陥っている自民党を立て直すことができるのではないかと思います》
- 《しっかりと保守を貫いてくれそうだから》
- 《初の女性リーダーとして、男性とは異なる視点での政権運営に期待しているから》
結論:国民が描く「ポスト石破」のリーダー像
今回の世論調査の結果は、激動する日本の政治状況の中で、国民が次期首相に求める多様なリーダー像を明確に示しています。長年の経験と安定感を重視する声、若さと実行力による変革を望む声、そして初の女性リーダーとして新たな視点と明確な保守的価値観を期待する声。それぞれの候補者が持つ特性が、現在の政治課題と国民のニーズにいかに合致するかが、今後の「ポスト石破」の行方を左右する鍵となるでしょう。
不安定な政局が続く中、国民の期待に応え、日本の未来を託せるリーダーが誰になるのか、引き続きその動向が注目されます。