全国海水浴場「ふん便性大腸菌」水質ワーストランキング2025!環境省データで明らかになる衝撃の事実

毎年夏が訪れると、多くの人々が海水浴を楽しみます。透き通った青い海での遊泳は、夏のレジャーの醍醐味の一つですが、その水質についてはどの程度意識しているでしょうか?特に、私たちの健康に直結する「水質」の安全性は、楽しい思い出を作る上で非常に重要です。

本記事では、環境省が公表している日本全国の水浴場(海、川、湖沼を含む)の水質調査結果に基づき、特に懸念される「ふん便性大腸菌群数」に着目した独自ランキングを作成しました。このデータは、水質悪化の指標となり、遊泳の可否や安全性を判断する上で非常に重要な情報です。夏のアクティビティを計画する前に、ぜひご自身の目指す場所の水質状況を確認してみてください。

「ふん便性大腸菌群数」とは?環境省の水質格付け基準を解説

水浴場の水質を評価する際に用いられる「ふん便性大腸菌群数」とは、その名の通り、人や動物のふん便に由来する大腸菌群の数を指します。大腸菌自体は土壌や植物にも存在しますが、この「ふん便性大腸菌群」を調査することで、より的確にふん便による汚染の有無や程度を把握することが可能になります。これは、公衆衛生の観点から極めて重要な指標です。

環境省は、このふん便性大腸菌群数を含む複数の指標を用いて水浴場の水質を格付けしています。最高位の「AA」を獲得するためには、ふん便性大腸菌群数が「100ml当たり2個未満」(複数回測定した平均値)という厳しい基準をクリアする必要があります。その他の格付け基準は以下の通りです。

  • A(適): 100ml当たり100個以下
  • B(可): 100ml当たり400個以下
  • C(可): 100ml当たり1000個以下
  • 不適: 100ml当たり1000個超

ダイヤモンド編集部による今回の「ふん便性大腸菌」が多い海水浴場ランキングでは、水質格付けが「A〜C」の海水浴場のうち、ふん便性大腸菌群数(個/100ml)の平均値が10個以上を対象としました。個数が同じで水質の格付けが異なる場合は、格付けが低い海水浴場を上位としています。

水質調査が行われる日本の海水浴場のイメージ。夏に向けて安全な遊泳環境の重要性を示す。水質調査が行われる日本の海水浴場のイメージ。夏に向けて安全な遊泳環境の重要性を示す。

衝撃のワーストランキング!上位を占めるのは?

それでは、ふん便性大腸菌群数が多い海水浴場のワーストランキングを見ていきましょう。今回の調査対象となった全743カ所の水浴場の中で、最も高い数値を示したのは、青森県東北町にある小川原湖公園でした。この湖畔にはキャンプ場や野外ステージなど多様な施設が整備されていますが、ふん便性大腸菌群数は640個/100mlと非常に高く、唯一「要対策」とされています。遊泳を検討する際は、最新の情報を十分に確認する必要があるでしょう。

2位には、山口県下関市の安岡がランクイン。ふん便性大腸菌群数は240個/100mlでした。JR安岡駅から徒歩6分というアクセスの良さと白砂の浜が魅力の人気スポットですが、水質には注意が必要です。

続く3位と4位は、いずれも千葉県の海水浴場が占めました。3位は鋸南町の勝山(ふん便性大腸菌群数160個/100ml)、4位は山武市の小松130個/100ml)です。千葉県は首都圏からのアクセスが良いため、海水浴シーズンには大勢の人々が訪れますが、水質には特に注意が求められます。

今回のランキングでは、千葉県の海水浴場がトップ10に計4カ所(7位に大原 82個/100ml、9位に殿下 68個/100ml)ランクインしています。昨年はトップ10に6カ所を占めていましたが、数は減ったものの、依然として千葉県勢の存在感が上位を占めていることが分かります。

5位には、新潟県長岡市の寺泊(てらどまり)中央が、ふん便性大腸菌群数110個/100mlで名を連ねました。昨年は同じランキングでワースト1位(180個/100ml)でしたが、今年は改善が見られ、順位を落とす結果となりました。付近には市場もあり、海産物の買い物も楽しめる人気の海水浴場です。

この他にも、全国各地の海水浴場が今回のランキングに登場しています。詳細なデータについては、ダイヤモンド・オンラインで公開されている「『ふん便性大腸菌』が多い海水浴場ランキング2025【全69カ所・完全版】」をご参照ください。

まとめ:安全な海水浴のために水質情報を活用しよう

本記事で紹介した「ふん便性大腸菌群数」のデータは、各水浴場の水質状況を客観的に把握するための重要な指標です。夏休みに海水浴や水遊びを計画する際には、単に人気やアクセスの良さだけでなく、水質に関する情報を事前に確認することが、安全で楽しいレジャー体験のために不可欠です。

特に、小さなお子様連れの方や免疫力の低い方は、水質が「適」と評価された水浴場を選ぶなど、より一層の注意を払うことをお勧めします。環境省や各自治体が公開する最新の水質情報を活用し、今年の夏も安全に、そして安心して水辺での時間を満喫しましょう。

参考文献

  • 環境省 水・大気環境局 水環境課: 水浴場の水質調査結果(公開データより)
  • ダイヤモンド・オンライン: 「ふん便性大腸菌」が多い海水浴場ランキング2025【全69カ所・完全版】