神戸市は6日、阪神大震災が発生した1月17日前後に市内で一斉に実施していた災害対応の「シェイクアウト訓練」を中止すると発表した。平成27年から毎年「緊急速報メール」を配信していたが、「受信音がうるさい」との苦情が多いことを考慮した。
訓練は地震発生を想定し、市内にいる全ての人の携帯電話に緊急メールが届くよう設定し、その場で身を守る行動をとってもらう。今年1月17日には午前10時に地震が発生したとの想定で、津波からの避難を促す内容だった。
市によると、マナーモードでも鳴る受信音に驚く市民が多く、車の運転手から「急に音が鳴って危なかった」との苦情があった。市の担当者は「緊急メールを受信しない設定にする市民の増加も懸念される」と説明している。
緊急メールのサービスを提供する携帯大手3社は、行政向けの手引で訓練での使用を推奨しないとしている。市は各地域団体や学校などの都合に合わせて自主的に訓練するよう呼び掛けている。
一方、平成24年から大阪府全域を対象に同様の訓練を実施している吉村洋文府知事は6日、記者団に「(訓練中止には)大反対だ。一部から苦情は出るかもしれないが、大きな災害に備える訓練は絶対に必要。年1回は自然災害への感度を高めることが重要だ」と述べた。