雅子さまモンゴル訪問:ファッションに込められた深い敬意とメッセージ

天皇皇后両陛下は、7泊8日にわたるモンゴル公式訪問を終え、7月13日に無事帰国されました。両陛下にとって18年ぶりとなった今回の歴史的な訪問では、雅子さまが披露された様々な装いが、単なるファッションを超えた深いメッセージを伝えているとして大きな注目を集めています。特に、モンゴル最大のスポーツの祭典「ナーダム」をご観覧された際の鮮やかなロイヤルブルーの服装は、その象徴と言えるでしょう。

ナーダムでの「ロイヤルブルー」:モンゴル伝統衣装への敬意

7月11日、両陛下がナーダムをご観覧された際、雅子さまは上下を鮮やかなロイヤルブルーで統一された装いで臨まれました。ファッション編集者の軍地彩弓氏はこの服装について、「青のロングジャケットのスーツは、サイドスリットが入ったロングジャケットにワイドパンツという組み合わせ。中央アジアらしい立ち襟のジャケットに組紐のボタンが施されており、モンゴルの伝統的な衣装『デール』への深いリスペクトが込められたデザインに感服しました」と解説しています。この細部にわたる配慮は、訪問先の文化への理解と敬意を示す、雅子さまならではの外交的センスの表れと言えるでしょう。

モンゴル訪問中の天皇皇后両陛下。雅子さまは鮮やかなロイヤルブルーの服装でナーダムをご観覧。モンゴル訪問中の天皇皇后両陛下。雅子さまは鮮やかなロイヤルブルーの服装でナーダムをご観覧。

モンゴル国旗の「青」に込められたメッセージ

今回、雅子さまがナーダムという重要な場でロイヤルブルーを選ばれたことには、さらなる意味が込められていたと軍地氏は指摘します。モンゴルの国旗は赤、黄色、青の3色で構成されており、諸説ありますが、その青はモンゴルの伝統色であり、広大な青空と国民を象徴しているとされています。このモンゴルにとって特別な色である「青」を選択されたことは、訪問に際して雅子さまが事前に時間をかけてモンゴルの歴史や文化を深く学び、入念な準備を重ねられたことの証です。さらに、この日、天皇陛下のネクタイも雅子さまと同色のロイヤルブルーで統一されており、両陛下が一体となって相手国への敬意を示されたことが伺えます。特にモンゴルの国技の大会を見学される中でのこの装いは、来場していた現地の人々に大きな感動を与えたことでしょう。両陛下の一瞬一瞬のシーンを丁寧に想定し、TPOに合わせて服装を選ばれるその「真心」は、モンゴルの方々にも確かに伝わったはずです。

競馬観戦で見せた優雅な装い

翌日の7月12日には、フイ・ドローン・ホダグ競馬会場で100頭以上のモンゴル馬が駆ける競馬競技をご観戦されました。雄大な緑が広がる大草原の中で、雅子さまは淡い白を基調としたジャケットをお召しになっており、軍地氏は「非常に印象的なシーンでした」と語っています。この装いもまた、モンゴルの自然豊かな景観に溶け込みつつ、雅子さまの品格と優雅さを際立たせるものでした。

結論

今回の天皇皇后両陛下のモンゴル公式訪問において、雅子さまが披露された一連のファッションは、単に美しいだけでなく、モンゴルの文化、伝統、そして国民への深い敬意と理解が込められたものでした。特にロイヤルブルーの選択や、伝統衣装「デール」を意識したデザインは、両陛下の細やかな配慮と事前準備の賜物であり、国際親善におけるファッションの重要性を改めて示しました。両陛下の真心が、訪問先の国民の心に深く響いたことは間違いなく、今回の訪問が両国間の友好関係を一層深めるものとなったことでしょう。

参考文献