「ひだまりの詩」で一世を風靡した元「Le Couple」の藤田恵美(62)が、ユニット活動休止と離婚の知られざる真相を明かしました。大ヒットを記録した夫婦ユニットの輝かしい活躍の裏で抱えていた精神的圧迫、元夫・藤田隆二氏との関係性、そして長年追い求めた「普通の生活」への憧れ。9月6日のライブ「camomile breeze 〜9月の庭〜」を前に、彼女が今だからこそ語る率直な言葉は、多くの聴衆に深い共感を呼ぶでしょう。
夫婦ユニットの光と影:24時間体制の活動と役割の不均衡
夫婦であり、同時に音楽ユニットとして活動することには、藤田恵美氏にとって特有の利点と困難がありました。仕事と家庭が完全に分離されず、文字通り24時間仕事が身近にある環境は、すぐに打ち合わせができるという効率性をもたらした一方で、オンとオフの切り替えを極めて難しくしたと彼女は振り返ります。表向きは藤田氏がメインボーカルを務めていましたが、実際のユニット内では元夫の藤田隆二氏が先のことまで深く考え、率先して動くタイプでした。あまり深く物事を考えない性分であった彼女は、隆二氏との意見の違いから叱責されることも少なくなかったといいます。特に多忙ではない時期ほど、隆二氏が強い危機感を持ち、ピリピリしているように感じられたと語っており、こうした役割分担の不均衡と性格の差異が、ユニット内部に少しずつ亀裂を生じさせていったのです。
結婚生活終焉の背景:精神的圧迫と「普通」への強い希求
結婚生活を終えることになった理由について、藤田氏は肉体的な暴力ではなく、精神的な追い詰められがあったことを明かしています。元夫・隆二氏の物事に対する強いこだわりや、徹底的に突き詰める性格が、深く考え込むことをあまりしない藤田氏にとっては大きな精神的負担となっていました。時間の経過と共に、夫婦として共に歩み続けることは難しいのではないかという思いが募っていったといいます。そして、「私も歌を辞めて芸能界から身を引き、普通の生活に戻るべきではないか」という結論に至ります。それはすなわち、お互いが離婚し、それぞれが平穏な日常を取り戻すことを意味していました。この決断の背景には、表舞台での華やかな生活よりも、心の平穏と「普通」の暮らしを優先したいという藤田氏の強い願いがありました。
藤田恵美、自身の過去と現在の心境を語る
「理想の夫婦」像の裏側:幼少期の原体験と家庭への憧憬
世間からは「理想のご夫婦」と見られていたLe Coupleでしたが、藤田氏自身が本当に追い求めていたのは、夫婦像というよりも「理想の家庭」だったと明かしています。幼稚園の頃から芸能活動を始め、小学生の頃には両親が離婚するという、常に「普通ではない」環境で育った彼女は、幼い頃から人知れず負い目やコンプレックスを抱えていたといいます。周りの人々が「私も劇団に入りたい」「人前で歌いたい」と芸能界への憧れを語る一方で、藤田氏が本当に欲しかったのは、普通の家庭の中で過ごすことや、放課後に友達と楽しく遊ぶような、ごく当たり前の日常でした。この幼少期の原体験が、大人になってからの結婚生活、そして最終的な離婚決断にも深く影響を与えていたことが伺えます。
藤田恵美氏の告白は、「ひだまりの詩」が歌い上げた温かいイメージの裏側に、人間関係の複雑さや個人の内なる葛藤が潜んでいたことを示しています。彼女の経験は、外見からは見えない心の苦しみや、当たり前の幸せを求める普遍的な願いを浮き彫りにします。元夫との関係、そして独り身となった今、彼女は新たな人生の章を歩み、その率直な言葉は多くの人々に勇気を与え続けるでしょう。