8月20日夜、神戸市内のマンションで発生した24歳女性刺殺事件は、動機が依然として不明な点が多く、社会に深い衝撃を与えています。報道によれば、逮捕された谷本将志容疑者(35)は、被害者が勤務先を退勤した直後から約50分間にわたり執拗に尾行を続けました。郵便局やスーパーへの立ち寄り、電車の乗り換えを経て自宅マンションに到着した被害者の後を追ってオートロックをすり抜け、エレベーター内で犯行に及んだとされています。
面識のない人物からのストーカー被害を示唆するイメージ画像。
神戸女性刺殺事件の全容と容疑者の不審な行動
谷本容疑者は東京在住で、被害者とは「まったく面識がない」と供述している点が、本事件の特異性を際立たせています。しかし、彼の過去を紐解くと、同様の手口で女性の首を絞め、傷害などの罪で執行猶予付きの有罪判決を受けた前科が判明。さらに、神戸に到着した事件のわずか3日前にも、別の20代女性を同様に尾行し、オートロックマンションへの侵入を試みていたと報じられています。見知らぬ男に長時間つけ狙われ、命を奪われるという極めて衝撃的なこの事件は、見知らぬ相手からのストーカー行為が身近な脅威であることを改めて浮き彫りにしました。
神戸市で女性が刺殺されたマンションの外階段で鑑識活動を行う警察官。事件現場の生々しい様子。
「面識なし」ストーカー被害の実態:警察庁統計が示す驚きの数字
このような面識のない相手からのつきまといは、決して珍しい事例ではありません。警察庁の統計によると、昨年1年間で警察に相談が寄せられたストーカー事案は全国で19,567件に上ります。加害者と被害者の関係性では、「交際相手(元含む)」が37.1%と最も多いものの、「面識なし」のケースも全体の8.8%を占め、実に1,722件もの相談が寄せられています。これは、見知らぬ人物からの尾行やつきまといが、具体的な脅威として存在していることを示す重要な数字です。
専門家が警鐘を鳴らす「見知らぬ人からのつきまとい」の多様な危険性
ストーカー・つきまとい事案の対応を専門とする探偵事務所「ファミリー調査事務所」代表の山内和也氏は、「見知らぬ人に付けられているようだ」という相談が少なくない現状を指摘します。被害の対象は性犯罪を目的とした若い女性に留まらず、強盗や空き巣の下見、さらには高齢者を狙った詐欺の下見など、その目的は多岐にわたります。しかし、警察や探偵が対応するのは、被害者が尾行に気づき相談に至ったケースのみです。その陰には、自分が尾行されていることにすら気づいていない、数多くの潜在的な被害者が存在すると見られています。見知らぬ相手からの尾行を察知することは、一般的に非常に困難なのです。
まとめ
神戸で起きた痛ましい事件は、見知らぬ相手からのストーカー行為が引き起こす深刻なリスクを私たちに改めて突きつけました。警察庁の統計や専門家の見解からも、「面識なし」のつきまとい被害が決して他人事ではないことが明らかになっています。自身の身に起こりうる脅威として、常に周囲への警戒心を持つことが、不測の事態から身を守る第一歩となります。